研究課題/領域番号 |
23591956
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
片山 寛次 福井大学, 医学部附属病院, 教授 (30204431)
|
研究分担者 |
村上 真 福井大学, 医学部, 助教 (00334821)
三好 憲雄 福井大学, 医学部, 助教 (40209961)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | ALA / HIPEC / peritoneal metastasis |
研究概要 |
(1)動物実験によりALA腹膜投与の安全性を検討した.Wister系ラットを用いて,ALAの腹腔内投与の毒性を調べた.ALAは経口摂取では安全に投与でき,ALAが腹腔内でpHの変化による失活や腹膜癒着などの合併症が起こらないことを確認した.(2)ヒトがん培養細胞株に直接ALAを接触させ,経時的に細胞内のPp濃度を測定した.405nmの励起レーザーで励起し635nmの蛍光を測定,ALA濃度と腫瘍細胞の取り込み,Pp産生を検討した.(3)腹膜転移モデルの作成.ヌードラットを用いて既に実験経験のある,虫様突起漿膜下腫瘍細胞移植法により,(2)で用いたヒト胃がん培養細胞株MKN-45を移植し,腹膜転移モデルを作成した.ヌードラットを麻酔下に開腹し,ヒトがん培養細胞株MKN-45を1×10E6個を虫様突起の漿膜下に移植した.適時超音波検査や開腹により腹腔内を確認することで腹膜播種のモデルを作成した.現在までのモデル成功率は33%と低く,細胞の変更,移植細胞数の増量を考えている.一旦,ヌードマウスにても腹膜転移モデルの作成を行ったところ,ほぼ全例に生着を得た.腹腔内にALAを投与,一定の時間を置いて開腹し,405nmの波長のLED励起光で励起,430nm波長以下をカットするフィルターを通して腹膜播種巣の発光を観察し得た.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヌードラットでの大腸癌腹膜転移モデルの成功率が低いので、細胞を変える,移植細胞数を増やす,などで安定したモデル作成を続けているため時間を要した.ヌードラットの大腸癌腹膜転移モデル作成の成功率を高めるため、使用する細胞や移植細胞の数を早期に割り出せるよう、積極的に動物実験に取り組む.
|
今後の研究の推進方策 |
腹膜転移マウスモデルを使って光線力学的治療を始めている.ラットモデル作成時には赤色レーザーを腹腔内に導いての腹膜播種治療にまで進めたい.
|
次年度の研究費の使用計画 |
動物購入費用,組織診断費用,レーザーガイドの作成費用などに充てる予定である.
|