研究概要 |
GFPマウスに2%DSSを5日間投与し, 潰瘍性大腸炎モデルを作成し、DSS投与終了後よりステロイドを投与する個体と投与しない個体に分け, 同一個体に開腹閉腹を繰り返して, DSS投与開始後より, 7, 14, 28日目に、二光子レーザー顕微鏡TPLSMを用いて腸管壁を漿膜側から腸管壁の全層を観察している。開閉腹は、1.5cmの腹部正中切開で、閉腹時, 癒着予防のため, セプラフィルムを腹腔内に挿入して閉腹した。ステロイド非投与群のDSS腸炎の継時的なTPLSM像変化では、DSS投与開始後7日目に炎症細胞浸潤は最も高度になり、14日目でも炎症細胞浸潤がやや改善しましたが、投与開始後28日目でも炎症細胞は遺残し, 瘢痕が形成されていた。ステロイド投与群のDSS腸炎の継時的なTPLSM像変化では、DSS投与開始後7日目に炎症細胞浸潤は最も高度になり、14日目ステロイド投与群より炎症細胞浸潤が改善、投与開始後28日目では炎症細胞は消失していた。DSS投与開始後14日目に一部炎症細胞の消褪を認め, 投与開始後28日目では炎症細胞は完全に消褪していた。DSS腸炎の継時的なTPLSM像変化では、7日目に増加した炎症細胞がステロイド投与群が非投与群より白血球が早く消褪します。TPLSMでのCryptのmiddle portionでは、DSS投与前には白血球が1視野平均7個であったものが、DSS7日目では白血球が1視野に平均58個に増加していた。また、TPLSMによるミドルポーションでの白血球の推移をステロイド投与群とステロイド非投与群で比較すると、DSS投与開始後14日目と28日目にステロイド投与群が非投与群より白血球数が減少していた。
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