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2011 年度 実施状況報告書

HMGB1による癌化学療法の免疫学的効果予測

研究課題

研究課題/領域番号 23591963
研究機関山口大学

研究代表者

鈴木 伸明  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50526910)

研究分担者 吉村 清  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30346564)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードHMGB1 / バイオマーカー / NKG2D / NKG2DL / B7-H3 / Toll like recepter / 化学療法 / 免疫療法
研究概要

化学療法に免疫学的修飾効果があることは以前より注目されてきたが、その機序が明確でなかった。近年、化学療法によりToll様受容体(TLR)を通じ免疫システムを活性化させる際にHigh Mobility Group Box 1(HMGB1)が放出されるというデータをフランスのZitvogelらがマウスで示した。本研究の目的は化学療法の前後でHMGB1を測定することにより、どの化学療法において免疫学的抗腫瘍効果がより強いかを検討し、特定の化学療法における抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーとして治療効果判定との相関を探索し、再発・予後との関連も明らかにすることである。平成23年度の研究実績としては、切除組織における癌部・非癌部でのHMGB1の発現の有無、発現の強度を免疫組織化学染色にて確認した。現在までに胃癌30症例、大腸癌30症例、膵癌10症例程度染色を行い、その結果の解析を進めている。また、それと並行してNKG2D, NKG2DL, B7-H3なども染色しており、複合的な染色強度の発現の有無でprognostic markerとならないか検討中である。またマウス肝転移モデルの確立に成功し、さらに皮下腫瘍モデルも用いて研究を行っている。今後は、引き続きマウスのモデルではCD62L, CCR7, CD95の発現をT細胞上で見ることで、メモリーT細胞の獲得をCentral, Effector memory T細胞に分けて検討し、最終的にはTumor re-challenge testと併せ、免疫療法の最大の利点の一つである"メモリーの獲得"をモニタリングする。また胃癌・大腸癌または膵癌症例で、抗原提示細胞の成熟化(CD11c陽性細胞のCD80陽性率、CD83陽性率)がHMGB1の発現と相関しているかを調べ、これらの免疫学的反応と再発率・生存率との間に相関があるかを検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度の研究実績としては、まず癌患者の切除組織における癌部・非癌部でのHMGB1の発現の有無、発現の強度を免疫組織化学染色にて確認した。現在までに胃癌30症例、大腸癌30症例、膵癌10症例程度染色を行い、その結果と発現強弱による再発の有無、予後との相関について解析を進めている。また、それと並行して新たなバイオマーカーの探索として、NKG2D, NKG2DL, B7-H3なども染色しており、複合的な染色強度の組み合わせによって、その発現の有無自体でprognostic markerとして指標にならないか検討中である。またマウス癌肝転移モデルを使用して、既存の各種化学療法において、抗原特異的CTLが最も強く誘導されるポイントを検討する目的に関しては肝転移モデルの確立に成功し、さらに皮下腫瘍モデルも用いて研究を行っている。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続きマウスのモデルではCD62L, CCR7, CD95の発現をT細胞上で見ることで、メモリーT細胞の獲得をCentral, Effector memory T細胞に分けてそれぞれ検討し、最終的にはTumor re-challenge testと併せ、免疫療法の最大の利点の一つである"メモリーの獲得"をモニタリングする。また胃癌・大腸癌または膵癌症例で、化学療法前後に末梢血単核球中のHMGB1をELISAで測定し、抗原提示細胞の成熟化(CD11c陽性細胞のCD80陽性率、CD83陽性率)がHMGB1の発現と相関しているかを調べ、これらの免疫学的反応と再発率・生存率との間に相関があるかを検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

引き続き、フローサイトメトリーや免疫染色用の抗体等を購入し、またマウスの購入等に研究費を使用予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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