今後の研究の推進方策 |
1)5-FU感受性とリン酸化 HSP27(p-HSP27)発現およびリン酸化阻害との関連:In virtoにおいて、HSP27のリン酸化抑制程度(抗リン酸化HSP27抗体を用いてwestern blotting法で解析)と5-FU感受性変化との関連を認めたことより、各種HSP27リン酸化酵素阻害剤(SB203580, Go6983, GF109203, Rapamycin)を用いてHSP27 ser15, ser78,ser82のリン酸化を阻害し、リン酸化抑制程度と5-FU感受性変化との関連を動物モデルで検討し臨床応用への可能性を探究する。 2)多抗癌剤耐性におけるHSP27の機能的解析:HSP27と他抗癌剤(CPT-11, l-0HP, cetuximab/panitumumab, bevacizumab)耐性の関連について、これまでと同様に機能的解析を行い検討し多抗癌剤耐性因子としての治療標的になり得るかを検討する。 3)GFP組み込み HSP27 siRNA plasmid封入抗EGF-R抗体結合のPMDN complexの作成と特異性の検討:抗EGF-R抗体結合PMDN complexを作成し、GFP組み込みHSP27 siRNA plasmidを封入する。このPMDN complexを各種ヒト大腸癌細胞株にin vitroで添加し、それぞれの細胞を蛍光顕微鏡にて観察し組織移行性を確認する。Negative controlとしてscramble siRNA plasmid 封入抗EGFR 抗体結合 PMDN complexを作製し、これと比較して大腸癌細胞株におけるHSP27蛋白の発現レベルと5-FU耐性に対する抑制効果をin vitroで検証する。
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