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2013 年度 実績報告書

HSP27を標的とした新しい大腸癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591970
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

石井 良幸  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30255468)

キーワードcolorectal cancer / chemotherapy / sensitivity / heat shock protein 27
研究概要

研究実績の概要
HSP27の発現および機能抑制による抗癌剤(5-FU)感受性亢進よる新たな大腸癌治療法を開発すること、5-FU以外の抗癌剤(CPT-11、l-OHP)耐性とHSP27との関連について明らかにすることを目的とし以下の実験を行い成果を得た。
1) ヒト大腸癌細胞株を用いた基礎実験では、in vitroにおいてHSP27発現レベルと5-FU感受性は逆相関(HSP27高発現では5-FU低感受性)し、動物モデルにおいても同様の結果であった。また、shRNAを用いたHSP27発現抑制によりin vitroおよび動物モデルにおいて5-FU感受性は増強した。さらに、特異的リン酸化酵素阻害剤(SB203580)を用いたHSP27リン酸化阻害によるHSP27機能抑制によっても、5-FU感受性は増強した。
2) 同様にヒト大腸癌細胞株を用いた基礎実験において、HSP27発現レベルとCPT-11およびl-OHP感受性は逆相関した(HSP27高発現ではCPT-11/l-OHP低感受性)。また、抗EGF-R抗体薬(cetuximab)は、JAK/STAT系シグナル伝達を抑制することでHSP27の発現またリン酸化を抑制し、CPT-11の感受性を相乗的に増強した。
3) 治癒切除大腸癌症例(StageII/III)においてHSP27発現と予後との解析を行った。手術単独群では、HSP27発現に関わらず術後の無再発生存率に差を認めなかったが、術後補助化学療法群では、HSP27低発現群では高発現群に比較し無再発生存率は有意に良好であった。
以上より、大腸癌におけるHSP27発現は、多剤抗癌剤の感受性バイオマーカーであるとともに、その発現あるいは機能抑制により抗癌剤耐性が緩和される可能性があり、新たな治療標的になり得ると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大腸癌に対する分子標的治療薬(抗EGFR抗体薬)の効果におけるHeat Shock Protein 27の役割2013

    • 著者名/発表者名
      石田 隆,石井 良幸,長谷川 博俊,遠藤 高志,岡林 剛史,森谷 弘乃介,茂田 浩平,瀬尾 雄樹,星野 剛,菊池 弘人,清島 亮,高橋 秀奈,松井 信平,山田 暢,北川 雄光
    • 学会等名
      第68回日本消化器外科学会総会
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      20130717-20130719

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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