研究課題
薬剤投与時に見られる応答性や副作用の個体差はゲノム多型や発現遺伝子の影響を受けると考えられる。特に抗癌剤投与では無効例に対して長期間に渡り投与を行いQOLを著しく低下させる可能性があり、投与前にその有効性を予測することが重要である。発現解析により患者の層別化を行うには薬剤投与の条件を患者間で整え、かつ解析可能な数を揃えることが困難である。本研究では切除不能大腸癌に対するFOLFOX治療開始前の凍結保存している87例よりRNAを抽出し、これらを利用して遺伝子発現解析により抗癌剤感受性を高確率で予測することによる個別化医療の実践を目的とした。まず、抽出したRNAによりGeneChipにより約25000種類の遺伝子発現を包括的に解析し、このデータをランダムフォレスト法によりFOLFOX感受性に関与する遺伝子群を抽出した。さらにこの遺伝子群の正当性を評価するためにout-of-bags法によりトレーニングセットとテストセットにサンプルをわけ、データの再現性を確認し得た。これらの方法は遺伝子発現解析による薬剤感受性を投与前に予測可能であることを示唆するものであり、将来的には種々の薬剤感受性を予測することにより個別化医療実践の可能性を示唆する研究結果である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)
Cancer Sci
巻: 105 ページ: 425-430
10.1111/cas.12380
World J Suegery
巻: 37 ページ: 847-853
10.1007/s00268-012-1887-3
巻: 104 ページ: 1295-1302
10.1111/cas.12221
Ann Surg Oncol
巻: 21 ページ: 440-448
10.1245/s10434-013-3360-4