研究概要 |
マウス大腸癌細胞CT26、CMT93に対するOncolytic virusの抗腫瘍効果をin vitroで検討したがほぼ同等の効果であった。CMT93では10,000,000まで細胞数を増やしたが皮下腫瘍が出来ず、CMT93を用いての研究は断念しCT26を用いた。増殖型ウイルス感染10時間で、CT26を1万個皮下接種するとMOI10, MOI100, MOI1000全てでMOIゼロ(ウイルス感染なし)と同様に腫瘍が生着した。ウイルス感染時間を24時間にするとCT26を1万個皮下接種してもMOI1000では皮下腫瘍が出来なかった(0/8、MOIゼロでも2/8)。ワクチン効果を確認するために再度CT26を接種すると50%のマウスで腫瘍生着が拒絶されたが、MOIゼロ2匹も腫瘍生着が拒絶された。CT26を10万個、CCL21を0.5μgウイルス感染細胞接種の24時間前に皮下投与、ワクチン回数2回として、抗腫瘍免疫を検討した。前投与が全くない場合は全てのマウスで腫瘍が生着(12/12)した。CCL21のみでワクチンした場合、CCL21-MOI ゼロでワクチンした場合はどちらもそれぞれ17%(1/6)に腫瘍が生着しなかった。MOI1000でワクチンした場合は単独で33%(2/6)、CCL21との併用(CCL21-MOI1000)では29%(2/7)に腫瘍が生着しなかった。ワクチン段階で腫瘍が出来なかったもので、その後の再チャレンジで腫瘍が出来なかったものはCCL21単独, CCL21-MOI ゼロで100%(それぞれ1/1)、MOI1000, CCL21-MOI1000で40%(それぞれ2/5)でありMOI1000のウイルス感染CT26細胞は必ずしも十分な抗原として働いておらず、ワクチン療法の改良が必要と考えられた。この結果は2014年度日本癌治療学会(横浜)で発表予定である。
|