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2011 年度 実施状況報告書

炎症を母地とする非定型消化器癌の発癌機構の解明と早期診断バイオマーカの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591974
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

松原 長秀  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70314672)

研究分担者 冨田 尚裕  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00252643)
池内 浩基  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80319863)
山野 智基  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00599318)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード大腸癌 / 潰瘍性大腸炎 / colitic cancer / メチル化 / epigenetic
研究概要

23年度は、Colitic cancer に特異的なメチル化部位の探索をおこなった。Tiling Array を用いて網羅的に行う予定であったが、全ゲノム上の230000箇所の、メチル化部位を探索できるチップが開発されたので、それを用いた検索を行っているところである。潰瘍性大腸炎の癌部、およびこれと少し離れた、背景粘膜、及び癌より遠隔の背景粘膜病変を採取し、これらより良質のDNAを抽出し、解析にまわしている。対象として、通常の発癌経路の大腸癌症例のうち、メチル化の高頻度に生じているMSI-H大腸癌および、頻度の少ないMSS大腸癌を選別し、様々な統計処理を駆使して、解析を行っている。Colitic cancerの癌化に関与するプロモーターを網羅的に検索し、特異的な変異を抽出している。これで注されたメチル化部位に関し、次にパイロシーケンスでターゲットプロモーター上のメチル化パターンを詳細に解析し、メチル化地図を完成させる。多数同定されたメチル化部位の臨床病理学的な意味付けを詳細に行い、colitic cancerの発癌経路を明らかにすると同時に、診断の補助資料として使用可能かをretrospective に集積された症例を中心に検討する予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例の集積に時間がかかったが、現在解析が順調に進んでいる。また、holegenome sequencing等の予定も浮上してきており、概ね順調に推移していると考える。

今後の研究の推進方策

23 年度の研究において抽出されたcolitic cancer の原因遺伝子の変異が、臨床の上でマーカーとして有効に使用できるかを検証するための試験を開始する。同定され、retrospective に臨床材料で発癌への特異的関与を確認された複数のメチル化部位、および同様にretrospective に臨床材料で発癌への特異的な関与を確認された複数のメチル化マーカー について、prospective に収集した潰瘍性大腸炎症例のうち、発症より5 年以内、5~10 年、10 年以上たって大腸全摘術になった症例について、詳細に全大腸にわたって標本を抽出し、遺伝子の変異と病理所見を比較し検討する。その結果、本研究で抽出されたマーカーが発癌を予測しうるかについて統計学的に詳細に検討する。さらに、潰瘍性大腸炎患者から収集した術前の便のサンプルについて、抽出されたマーカーのメチル化について検討し、その後切除された大腸の標本における各部のメチル化と対比させることにより、便からのマーカーの検索がcolitic cancer あるいはdysplasia を予測できるか否かを検討する。

次年度の研究費の使用計画

症例の解析のための試薬代その他での使用が最も多いと予想される。また、解析のための費用もかなりかかる。試料の蓄積保存のためのバンク維持の費用も発生する。それらのために有効に使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Epigenetic regulation and colorectal cancer.2012

    • 著者名/発表者名
      Nagahide Matsubara:
    • 雑誌名

      Dis. Colon Rec.

      巻: 55 ページ: 96-104

    • DOI

      10.1097/DCR.0b013e318233a1ef

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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