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2011 年度 実施状況報告書

肝内胆管癌における肝内リンパ管侵襲機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591979
研究機関秋田大学

研究代表者

打波 宇  秋田大学, 医学部, 講師 (40400486)

研究分担者 山本 雄造  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70281730)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード肝内胆管癌
研究概要

発性肝癌の約5%を占める肝内胆管癌は外科的切除を施行しても、その予後は非常に不良である。いくつかの予後不良因子が候補として挙げられているが、その中でもリンパ節転移は諸施設からの報告で、共通した強力な予後規定因子である。肝内胆管癌細胞は他癌腫に比べ肝内リンパ管へ浸潤しやすい特性を有している。今回の研究ではこの特性に注目し、腫瘍細胞の生物学的特性を浸潤に必要なmetalloproteinaseおよび接着分子の発現プロファイリングで検討し、肝内胆管癌の新たな治療戦略確立のための礎を見いだすことを目的とした。2003年から2010年までの当科における肝内胆管癌切除症例22例において、ほぼすべての症例で肝内リンパ管侵襲が確認されたが、リンパ節転移陽性症例は22症例中9例であった。また、術後の生存率はリンパ節転移陽性症例が有意に不良であり、他施設同様に多変量解析においても独立した予後不良因子であった。上記の如く、リンパ管侵襲は認める症例においてもリンパ節転移を来さない症例も約60%存在する事から、腫瘍によるリンパ節への親和性が生物学的悪性度を反映している可能性が示唆される。現在は、切除標本において、抗LYVE-1抗体を用いた免疫組織化学染色による肝内リンパ管の同定を行い、リンパ管侵襲の程度を確認すると同時に、腫瘍細胞内での各種MMPの発現も免疫染色によって確認し、どのMMPの発現がリンパ節転移に深く関与するのかを検討中である。さらに、肝内胆管癌治療に必須である拡大肝切除の安全性向上を目的とした肝上皮性細胞導入の試みについての実験を併施していたが、こちらはデーター集積が終了し、論文発表となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に免疫組織学的染色を終了する予定であったが、今までの標本をすべて再確認したことから若干遅れているが、同時進行していた肝内胆管癌切除の安全性向上を目指した実験は終了させることが出来た。

今後の研究の推進方策

リンパ管侵襲、リンパ節転移に関与する各種MMPや接着分子を切除標本を用いて網羅的に探索し、その関連性をin vitroの実験で確認する予定である。

次年度の研究費の使用計画

肝内胆管癌細胞株であるHuCCT1、MECを用い、各細胞株におけるMMP発現の程度、活性をWestern blot、Real time PCR、Zymographyで解析する。細胞株で高発現が認められた場合、様々なMMPを阻害する薬剤のGM6001とMMPの種類に特異的な阻害剤をCalbiochemから購入し使用する。これらの阻害剤を培地に添加することによって、細胞の機能にどのような影響を与えるかmigration assay, invasion assayにて検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Liver epithelial cells proliferate under hypoxia and protect the liver from ischemic injury via expression of HIF-1 alpha target genes2012

    • 著者名/発表者名
      Yuki Abe, Hiroshi Uchinami et al
    • 雑誌名

      Surgery

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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