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2012 年度 実施状況報告書

肝内胆管癌における肝内リンパ管侵襲機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591979
研究機関秋田大学

研究代表者

打波 宇  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40400486)

研究分担者 山本 雄造  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70281730)
キーワード肝内胆管癌 / 肝切除
研究概要

原発性肝癌の約5%を占める肝内胆管癌において、根治が望める治療法は外科的切除であるが、その治療成績は不良である。多施設からの報告で、リンパ節転移が強力な予後不良因子であるとされていることから、肝内胆管癌切除におけるリンパ節郭清の意義すら一定の見解がない。今回の研究では、肝内胆管癌細胞が肝内リンパ管へ浸潤しやすい特性に着目し、腫瘍細胞の生物学的特性を浸潤に必要なmetalloproteinaseおよび接着分子の発現プロファイリングで検討し、肝内胆管癌の新たな治療戦略確立のための礎を見出すことを目的とした。
前回の検討で当科症例でもリンパ節転移が予後不良因子であることが確認されたため、さらに臨床的に腫瘍細胞のリンパ節親和性を明らかにすべく再発形式を検討したところ、リンパ節転移がない症例においては残肝、肺といった血行性転移であったが一方、リンパ節転移陽性症例においては再発は郭清されていない部位のリンパ節再発が主であった。このことから、リンパ節転移を来たす腫瘍はとりわけ、リンパ節への親和性が強いことを示唆していると考え、リンパ節転移があった腫瘍となかった腫瘍におけるMMP発現の差異を比較検討しているところである。
また、肝内胆管癌の手術はリンパ節郭清も含めると長時間の手術となり、さらに出血量も増える傾向にあるため、肝臓の虚血時間が長くなり術後の虚血再灌流障害により術後合併症が高率に起こる。その問題を解決すべく行ったプロスタグランジンJ2を用いた肝保護に対する実験が終了し、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

免疫染色については、用いた抗体が目的とする蛋白を認識せず、いろいろ方法を変えて試行錯誤しているところである。
ただ、同時進行していた肝内胆管癌に対する肝切除の安全性向上を目指した実験は終了し、現在論文投稿中、さらに肝切除ごの肝再生不良を明らかにする実験も一通り終了し、論文執筆中である。

今後の研究の推進方策

免疫染色については、当院の病理学研究室に強力を依頼し、今後一気に進める予定である。また、リンパ節転移の有無による腫瘍細胞のMMPおよび接着分子発現の差異の検討も行う予定にしている。

次年度の研究費の使用計画

肝内胆管癌細胞株であるHuCCT1、MECに対してMMP阻害剤を用い、細胞の浸潤能と増殖能に及ぼす影響をinvasion assayおよびAkt, MAPKといった増殖シグナルの変化で検討する。また、治療成績向上には外科的切除のみならず術後補助化学療法との併用が重要であるため、術後は抗癌剤に対する認容性が低い。よって肝切除が抗癌剤の体内における代謝におよぼす影響も合わせて検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 胆管細胞癌切除例からみたリンパ節郭清の意義と補助化学療法の効果2013

    • 著者名/発表者名
      打波 宇
    • 学会等名
      第25回日本肝胆膵外科学会・学術集会
    • 発表場所
      栃木
    • 年月日
      20130612-20130614
  • [学会発表] 肝内胆管癌切除例からみた治療戦略の検討2012

    • 著者名/発表者名
      打波宇、渡辺剛、吉岡政人、阿部ゆき、高橋智和、安藤秀明、山本雄造
    • 学会等名
      第67回日本消化器外科学会総会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      20120718-20

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公開日: 2014-07-24  

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