• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

脾臓摘出による新しい肝細胞癌発癌抑制治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591980
研究機関筑波大学

研究代表者

渡辺 基信  筑波大学, 医学医療系, 講師 (00568959)

研究分担者 久倉 勝治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60550168)
キーワード脾臓摘出 / 血小板 / 肝細胞癌
研究概要

肝細胞癌の多くは慢性肝炎、肝硬変を背景に多段階の発癌様式を示すことが明らかになってきた。現在の肝炎治療の主体として抗ウイルス療法が用いられているが、効果的な発癌予防策はないのが現状である。我々はこれまでに血小板増殖因子であるトロンボポエチンおよびそれによって増加した血小板による肝線維化抑制効果を発見し報告してきた。肝硬変患者に脾臓摘出を行うことで血小板増加状態を維持し、肝機能改善効果が得られることが臨床においても報告されているが、脾臓摘出が肝細胞癌に与える長期的な治療成績は不明である。本研究の目的は脾臓摘出に伴う血小板増加作用による肝細胞癌の発生、進展の抑制効果を検討することである。
本年度は改めて原発性肝癌モデルの作成に着手した。正常肝状態のSCIDマウスに対し、ヒト由来肝癌細胞株であるHep G2をマトリゲルに溶解し500万個を肝左葉に局注したところ、投与4週後に肝癌の生着が確認できた。その他の肝癌細胞株(Hep 3B, Huh7)では生着は見られなかった。
今後は同モデルに対し脾臓摘出を施し、血小板増加による腫瘍縮小効果を検討していく。さらに肝癌細胞株を局注した肝左葉を切除し、その後の肝右葉への肝内転移抑制効果を検討する
また今回は正常肝への肝癌生着を検討したが、四塩化炭素誘導肝硬変モデルへの生着についても今後検討を行う。また脾摘による肝癌発癌抑制の検討については、新たな自然発癌モデルを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

原発性肝癌モデルはこれまで当研究室で取り組んできたが難渋しており、肝局注での生着率が極めて低いため皮下注モデルなどで代用せざるを得なかった。
今回、マトリゲルを用いることで,ヒト由来肝癌細胞株であるHep G2の局中により肝癌の生着が確認でき、ようやく原発性肝癌モデルの確立に至った。
今後は同モデルを用いて、脾臓摘出により血小板増加状態を誘導し、血小板による腫瘍抑制効果を検討していく。

今後の研究の推進方策

今後はまず、今回確立した正常肝の原発性肝癌モデルにおける脾摘による腫瘍抑制効果を検討する。併せて四塩化炭素を用いて肝硬変状態を誘導したSCIDマウスに対し、Hep G2が生着し原発性肝癌モデルが確立可能か否かを検討する。その後肝硬変状態の原発性肝癌においても脾摘を施し、血小板増加による腫瘍抑制効果を検討する。
原発性肝癌の自然発癌モデルについては現在難渋しており、今後も要検討課題である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi