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2012 年度 実施状況報告書

凍結治療における抗腫瘍免疫賦活

研究課題

研究課題/領域番号 23591985
研究機関岐阜大学

研究代表者

長田 真二  岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80332683)

キーワード進行肝臓癌 / 凍結治療 / 抗腫瘍免疫 / サイトカイン
研究概要

切除不能肝腫瘍に対する凍結治療の際に,非処置部においても腫瘍縮小効果がみられた臨床経験を経て,採血結果等から抗腫瘍免疫賦活の関与を想定してきました.その詳細なメカニズムと,効果発現の最適な環境設定を明確にすることを目的とし,マウスでの研究を計画しました.以下に現在の進捗状況を報告いたします.
1)CT26大腸癌細胞株をマウス皮下に注入し作成した皮下腫瘍モデルにて検討しました.CT26細胞株を凍結融解処理し完全な細胞破壊を確認した癌細胞ペーストを,毎週腫瘍近傍に注入する群(凍結群:n=27)とPBSを注入するコントロール群(非凍結群:n=28)での比較を行いました.腫瘍体積(mm3)は,治療開始2週目の凍結群551.0±426.1に対し,非凍結群717.5±679.2,4週目の凍結群2543.1±2153.0に対し,非凍結群3147.1±2752.5と明らかな治療効果を確認しました.
2)癌細胞ペースト投与量を2倍ないし4倍にすると,腫瘍体積は非治療群に比し1.3±0.23倍ないし1.46±0.11倍と,投与量に応じて逆に腫瘍増大がみられ,過大な凍結治療はむしろ腫瘍縮小には不利と判明しました.これは臨床経験から得られた,凍結融解組織量が多いと免疫寛容に至るとの推察を証明する結果とも評価しえます.
3)免疫学的機序の系時列的変化を観察する目的で,治療後0,6,12,24時間後の各マウス皮下腫瘍を採取しWestern Blottingにて発現シグナルを確認しました.その結果腫瘍免疫に関わりの深いIL-2とTNF-αが,治療回数や時間に応じ徐々に組織内で出現する事が確認されるに至っています.未だサンプル数が不足しており今後さらに追加検討を行います.
なお,上記全てのサンプル(マウス皮下腫瘍,マウス血清)は凍結・ホルマリンいずれの状態でも保存してありますので,必要に応じ追加検討は可能です.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の結果から、実際のマウス肝転移モデルでの評価では、治療効果の判定が大変煩雑であること(度重なる開腹のため致死的状況に陥るマウスが多い)が判明した事を受け、二次的に皮下腫瘍モデルでの検討を進め成果を上げることが出来ています。上記内容からの一定の結果を確認次第、短期での肝細胞内での発現因子を特定するために、肝転移モデルに着手するよう考えています。

今後の研究の推進方策

肝腫瘍および皮下腫瘍による凍結治療モデルでの腫瘍径に対する検討を今後も継続推進致します。さらにこれまでに採取できた組織サンプルにて増殖活性(Ki67等)の免疫染色及びwestern blottingからのシグナル因子の発現状況・程度、並びに保存血からIFN-γ
、TNF-αなど腫瘍免疫に係わるTh-1系サイトカイン、免疫賦活に関与するIL-2などELISA法にて確認する予定です。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 外科的切除不能肝腫瘍に対する新たなる治療戦略

    • 著者名/発表者名
      長田真二
    • 学会等名
      第25回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
    • 発表場所
      倉敷市芸文館(岡山県)
  • [学会発表] マウス転移性肝腫瘍モデルによる凍結治療有用性の検討

    • 著者名/発表者名
      山田敦子
    • 学会等名
      第23回日本消化器癌発生学会総会
    • 発表場所
      ルネッサンスリゾートナルト(徳島県)

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公開日: 2014-07-24  

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