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2012 年度 実施状況報告書

形質転換を図った肝前駆細胞移植による肝不全治療法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23591987
研究機関京都大学

研究代表者

水本 雅己  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80567868)

研究分担者 石井 隆道  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70456789)
森 章  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60324646)
キーワード肝繊維化 / BMP7 / 遺伝子導入 / プラスミドベクター / 肝再生
研究概要

◎目的:肝硬変などの慢性肝障害においては、肝前駆細胞による肝再生や、成熟肝細胞の増殖が抑制されていると考えられる。TGFβはこれらの抑制因子の一つと考えられる。今回我々は TGFβアンタゴニストである、BMP7をマウス肝硬変モデルに遺伝子導入することが、肝繊維化や成熟肝細胞および肝前駆細胞からの肝細胞増殖にどのように影響するかを検討する。
・BMP7発現ベクターの作成:BMP7のcDNAをDNAライブラリーから、RT-PCR法にて作成し、シークエンスの確認した。System Biosciences社より購入したdual promotor piggybac system のマルチクローニングサイトにマウスBMP7をinsertすることによりBMP7発現ベクターを作成した。これと同社より購入したtransposase発現プラスミドベクターをマウス肝にco-transfectionすることにより、マウス肝細胞にBMP7を強制発現させた。
・肝線維化モデルマウス:C57BL/6マウスに1週間に2回の頻度でCCl4の腹腔への反復投与により肝障害を惹起させた。4週経過後に遺伝子導入を行った。その後も同様のペースでCCl4を与え、8週終了時に評価を行った。
・遺伝子導入方法:BMP7を発現するtransposonプラスミドベクター(piggybac)をhydrodynamic法により肝細胞に遺伝子導入した。具体的には、BMP7発現ベクターおよびtransposase発現プラスミドベクターをマウス体重の8%の生理食塩水に混じ、マウス尾静脈より5秒間ほどの時間内に注入した。
・評価方法:肝線維化の有無を評価として組織免染(HE染色、MT染色)、RT-PCR法によるコラーゲン1a遺伝子発現を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究開始当初は京都大学口腔外科学教室よりBMP7発現プラスミドベクターの供給を受け、研究を開始したが、得られたプラスミドベクターを制限酵素にて切断たところ、予期せぬバンドが確認された。このため。BMP7のcDNAをDNAライブラリーから、RT-PCR法にて改めて作成し、シークエンスの確認の後、発現ベクターへの挿入作業をおこなった。また供給されたベクターにはレポータージーンが組み込まれていなかったため、GFP発現ベクターとした。
文献を参考にマウスにCCL4を腹腔投与し、肝硬変モデルを作成したが、肝繊維化の形成には予定より長期間のCCL4の投与が必要であった。
hydrodynamic法による遺伝子導入効率を現在確認中である。

今後の研究の推進方策

・肝繊維化マウスモデルの作成を継続。
・BMP7を発現するtransposonプラスミドベクター(piggybac)の遺伝子導入によるBMP7強制発現モデル作成を継続する。
・肝線維化の有無を評価として組織免染(HE染色、MT染色)、RT-PCR法によるコラーゲン1a遺伝子発現を検討する。
・肝繊維化モデルをBMP7遺伝子導入群、非遺伝子導入群に分け、成熟肝細胞および肝前駆細胞を肝に移植し、肝細胞の増殖様式を検討する。

次年度の研究費の使用計画

以下の実験の動物費用および実験資材に研究費を使用する予定である。
・肝線維化モデルマウス:C57BL/6マウスを用いた肝繊維化モデルの作成を継続する。
・遺伝子導入:BMP7を発現するtransposonプラスミドベクター(piggybac)を増幅し、hydrodynamic法により肝細胞に遺伝子導入する。
・評価方法:組織免染(HE染色、MT染色)、RT-PCR法によるコラーゲン1a遺伝子発現を検討する。
・細胞移植:成熟肝細胞、肝前駆細胞ほ比重遠心法およびフローサイトメトリー法により分離子、肝繊維化マウスモデルに細胞移植を行う。
なお、前年度は、前述したようにBMP発現ベクター作成に時間がかかり、マウスを使用する研究段階に進めなかったため、マウス購入費用にあてた研究費が未使用となり、前年度の研究費の残金となっている。現在はBMP7発現ベクターの作成が終了し、マウスを使用する研究段間にすすんでいるため、次年度に前年度の研究費の残金を使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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