研究課題
本研究においては肝細胞癌症例における癌部および非癌部肝組織から抽出されたマイクロRNAの解析を行い、それらのマイクロRNAの発現と背景肝疾患、分化度や進行度、さらに癌再発や予後との関係を検討した。すなわち、肝細胞癌切除標本より抽出されたsmall RNAをさらに抽出し、microarrayを用いてmicro RNAの発現を検討する方法によってマイクロRNA発現のプロファイルを作成した。その後、肝細胞癌症例のRNAを集積するとともに、肝細胞癌切除標本の肝癌および非癌部肝組織の臨床病理学的検討を進めた。その結果、種々のマイクロRNAのうち、miR-18B発現が肝細胞癌の分化度と相関し、高分化型肝細胞癌に比較し、低分化型肝細胞癌ではmiR-18Bの発現が強いことが明らかとなった。さらにmiR-18Bはtrinucleotide repeat containing 6B (TNRC6B)をtarget geneとし、miR-18Bの過剰発現とTNRC6Bの低下は細胞増殖を促進し、細胞接着能を低下されることが判明した。これらの結果、MiR-18Bの発現が強い症例での術後生存率は、発現の弱い症例のそれに比較し、低値であった。したがって、miR-18Bは肝細胞癌の発癌や進展に関連しており、新たな予後因子となりうることが判明した。
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