研究課題/領域番号 |
23591996
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
金子 弘真 東邦大学, 医学部, 教授 (00169575)
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研究分担者 |
島田 英昭 東邦大学, 医学部, 教授 (20292691)
久保田 喜久 東邦大学, 医学部, 助教 (70385699)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | SEREX / RalA / SuiI / ELISA / 肝細胞癌 / 血清抗体 / 腫瘍マーカー |
研究概要 |
●RalA, Sui1 cDNA の塩基配列をアミノ酸配列に変換し、MHCPred ウェブサイト(http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/) を用いてクラスII抗原部位を検索し、その領域を含むペプチドを人工合成する。アミノ末端にビオチンを付加しておき、予めアビジンを固相化したプレートを用いて合成ペプチ ドを特異的に結合させ、洗浄後に血清抗体と反応させ、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を用いて血清抗体レベルを測定する(ELISA)。健常者血清に比べ患者血清の抗体レベルが有意に高いペプチドを選択する。●作成したELISAキットの性能試験を実施し、健常者の基準抗体価を設定した。健常者血清におけるELISA測定レベルの平均値+3SD をカットオフ値として、陽性と診断される患者血清中のそれぞれの抗体において最低10%を上回った場合に診断用キットとして有用であると判断した。●平成23年度は研究計画とおりに、東邦大学医療センター大森病院で入院・加療した肝細胞癌患者の血清を文書により本人の了解を得て収集保存した。解析対象の肝細胞癌症例の血清は、治療前に採取し、血清分離後、マイナス80度にて研究開始まで凍結保存されたものを使用した。周術期の血液サンプルは、手術前、手術後1週間、2週間、3週間、4週間、3ヶ月の6ポイントである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、肝細胞癌の治療経過中の定期的な採血に合わせて解析するための血液サンプルを収集している。当初計画よりも、順調に症例登録が進んでいるため、既存の冷凍庫スペースが満杯となりつつある。さらに、平成23年夏の節電に伴い冷凍庫に負荷がかかったことが誘引となり、1台の冷凍能力が不調となっている。血液サンプルの正確な解析は本研究の生命線であり、マイナス80度保存は必要不可欠な研究前提である。そのため、最低限の冷凍スペースを確保する目的で、新規フリーザーを購入した。平成23年度は、血液検体のサンプリングとデータベース整備に集中することとし、血液検体の解析を平成24年度に繰り延べることで、消耗品を中心とする研究費を削減した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画3年間の初年度であり、当初計画に基づく研究計画を予定通り実施できた。肝細胞癌と慢性肝炎、肝硬変との鑑別を行うためには、相当数の症例数を用いた検討が必要であり、現在東邦大学として総力を挙げて症例収集に努めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、血液検体の解析を開始するが、1回に大量の検体を解析することで、解析回数を減らし全体として消耗品代金を削減する。平成25年度は、初期の研究計画通りとする。以上より、前半2年間の研究計画を変更するのみで、全体計画における初期の目的は達成できるものと判断される。研究計画申請時には、必要不可欠のインフラとしてマイナス80度の冷凍庫は整備すみであったが、「11.現在までの達成度」で記載したように節電に伴う冷凍庫設置場所の室温上昇に伴い、理想的な冷凍の能力が毀損したため、研究推進の最低条件である血液検体保護を最優先とすることとして、解析費用に伴う消耗品代金を節減する予定とした。
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