• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

脂肪性肝炎における肝再生能、組織修復能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592002
研究機関独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター)

研究代表者

蒲原 行雄  独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 外科, 室長 (50325643)

研究分担者 藤岡 ひかる  独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (00264226)
石橋 大海  独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, センター長 (80127969)
戸次 鎮宗  独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 医師 (50601431)
河田 則文  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30271191)
吉里 勝利  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (20095516)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード脂肪性肝炎 / 肝再生 / 組織修復 / 肝障害
研究概要

今回、脂肪肝合併肝細胞癌(HCC)症例の肝切除周術期の特徴を後向きに調査検討した。対象と方法)当センターで2006年1月から2011年4月までに、治癒切除が施行されたHCC114症例を対象とした。(1)脂肪肝群 (n=42)、非脂肪肝群(n=72)に群別し、患者背景について検討した。(2)肝硬変を有さない60例を、非脂肪肝群{LC(-)F(-); n=38}と脂肪肝群{LC(-)F(+); n=22}に分け、術前因子(血小板、肝予備能)、腫瘍因子、手術因子(手術時間、出血量、切除範囲)、術後因子(肝逸脱酵素等)について比較検討した。また背景肝を病理学的に脂肪化10-30%にわけ術後肝逸脱酵素の推移を比較検討した結果)F(+)群(n= 42)とF(-)群(n= 72)で年齢、性別、肝炎ウイルス(HBV/ HCV/ nonBnonC比)、肝硬4の有無には有意差を認めなかった。LC(-)F(-)群(n= 38)とLC(-)F(+)群(n= 22)とで術前因子、腫瘍因子には差を認めなかったが、手術因子に関しては切除範囲に関してはLC(-)F(-)群に比べLC(-)F(+)群で亜区域以下の切除症例が多い傾向(13/38(34.2%)対13/22(59.0%), P= 0.060)にあった。術後因子では、術後T.Bil値、肝逸脱酵素の中央値及び難治性胸腹水の有無では両群間で有意差は認めなかった。しかし、ALT最高値200 IU/L以上の症例は、F(-)群25/38(65.8%)、F(+)群18/22(81.8%)であり最高値でも、F(+)群では切除範囲が小さい傾向にもかかわらず術後肝逸脱酵素は高値で、肝細胞障害が強い傾向があることが示唆された。特に脂肪化30%以上の症例では逸脱酵素は高値で肝障害も遷延する傾向を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度は臨床症例の概枠を明らかにすることを主に研究を行った。これは動物研究との対比を行う上で臨床結果との相違点を明らかにするためであった。この結果、致命的な状況となることは臨床では少なく動物研究においてもモデル設定で高度侵襲とならない用に計画する必要を認識した。組織学的評価については病理医と臨床医との認識が乖離している面も明らかとなり修正を行った。

今後の研究の推進方策

24年度:主として臨床研究、動物実験ともにサイトカインなどのメカニズムに関与した項目の測定を行う。(臨床研究)1)脂肪性肝炎肝の切除時の肝臓における炎症性サイトカインの測定ELISA、外部に検査委託)。肝障害の組織指標としては鉄の関与を血中および組織中で確認する。(動物実験)2)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルとして評価されている高カロリー・高脂肪食投与ウサギの肝臓に肝切除を施行する。切除後の残余肝の組織変化と再生過程を調べる。組織像は主として脂肪化肝細胞の増減と幼弱肝細胞の経時変化に注目する。背景となる脂肪性肝炎の炎症性サイトカイン過酸化障害(鉄沈着含む)をヒトの結果と比較する。25年度:臨床研究では術前因子からの肝障害の予測の可能性の判定、動物実験では組織学的検討を行う予定。(臨床研究)術前予測の可能性を検討する。また、切除時の肝臓の組織学的特徴(鉄等の過酸化障害など)について検討する。(動物実験)肝切除後のウサギの生存率及び上述の炎症反応、肝機能変化、組織変化、肝再生能(DNA合成、肝湿重量)を調べる。この時に24年度に行った。脂肪化細胞の変化や幼弱肝細胞の出現状況も合わせ検討する。

次年度の研究費の使用計画

組織評価および動物研究とこれまでの臨床成果発表に使用予定である。前者は一般に測定試薬、染色試薬などの消耗品である。また成果発表には共同研究者やそのほかの施設との意見交流も計画している(長崎大学内科、外科など)

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi