研究課題/領域番号 |
23592004
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坂田 純 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70447605)
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研究分担者 |
白井 良夫 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50216173)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
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キーワード | 胆嚢癌 / リンパ節転移 / lymph node ratio |
研究概要 |
本研究の目的は、「胆嚢癌において、リンパ節転移個数(転移個数)とlymph node ratio(LNR)との何れが切除後の予後指標として優れているかを明らかにし、リンパ節微小転移(微小転移)の臨床的意義を解明する」ことである。本研究のゴールは、「胆嚢癌においてリンパ節転移の合理的な分類法を確立すること」にある。 1982年5月から2009年1月までにリンパ節郭清を伴う根治切除が実施された胆嚢癌135症例を対象とした。合計2245個の郭清された領域リンパ節について検討した。リンパ節転移部位(転移部位)はAJCC staging manualに従って分類した。転移個数、LNRのcut-off値はCox比例ハザード回帰モデルを用いて決定した。HE染色で検出可能な転移巣を「リンパ節転移」、(HE染色標本では検出できず)免疫染色(CAM5.2)により初めて検出可能となる転移巣(single cellまたはcluster)を「リンパ節微小転移」と定義した。 リンパ節転移は59症例(44%)で陽性であった。転移個数、LNRのcut-off値は各々、3個、10%であった。単変量解析では、転移部位(pN0、pN1、pN2;P<0.001)、転移個数(0個、1-3個、4個以上;P<0.001)、LNR(0%、0-10%、>10%以上;P<0.001)の何れも有意な予後因子であった。多変量解析では、転移個数は有意な独立予後因子であったが(P=0.004)、転移部位、LNRは独立予後因子として残らなかった。微小転移は36症例(51%)で陽性であり、微小転移個数の総数は78個であった。微小転移は強い独立予後因子であった。 以上より、胆嚢癌において転移個数は転移部位やLNRよりも予後指標として優れていることを明らかにした。胆嚢癌のリンパ節転移分類法として、転移個数を用いることを提案する。
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