研究課題/領域番号 |
23592006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小泉 将之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90512351)
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研究分担者 |
増井 俊彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20452352)
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キーワード | インクレチン / GIP / 膵発生 / 発癌 |
研究概要 |
臓器発生と発癌は、増殖スピードや転写因子の発現パターンなど、様々な点で類似点が見られる。本研究の目的は、消化管粘膜上皮内内分泌細胞から分泌され、膵β細胞でのインスリン分泌を刺激し血糖降下作用をもたらすインクレチンホルモンのうちGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)に着目し、臓器発生と発癌の類似性の観点から膵β細胞の発生における関与および膵癌の進展における関与を明らかにすることである。具体的には胎児膵および膵癌においてGIPおよびその受容体の発現パターンを臓器発生および発癌段階で解析を進めることで発癌、癌の進展における役割を明らかにすることを目指す。<結果>1)膵癌におけるGIPおよびGIP受容体の発現パターンを解析すべく、膵癌病理標本の癌組織のみならず前癌段階であるPanINを含めての免疫染色を行った。PanINではGIP受容体の高発現を認め、癌が進展するとともに発現が減少する傾向が認められた。一方GIP自身にはそのような傾向は認められなかった。これは、発癌段階でのGIPの関与を示唆する所見と考えられる。一方、我々がこれまで解析してきた膵発生に必須の転写因子pdx1の膵癌における発現(Koizumi M, et.al. Surgery. 2005 Aug;138(2):125-33.)を検討したところ、GIP受容体とpdx1の発現が相関していることが示唆され、GIPとPdx1が癌進展に関与している可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的である膵発生に関するGIPの関与についてはすでに論文化され、次いで膵癌のどの段階においてGIPが関与しているかという点が明らかになってきており、おおむね順調に推移していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織におけるGIPとPdx1との関係は明らかになってきたが、GIP→Pdx1かあるいはPdx1→GIPかといった検討は細胞株による検討を要する。今後、膵癌におけるGIPとPdx1の関係について病理組織による追加検討のみならず、膵癌細胞株においてGIPRの強制発現、ノックダウンを行うことによるpdx1の変化、膵癌細胞の増殖、浸潤などへの影響を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は上記膵癌細胞株における検討とともに論文化に研究費を使用する予定である。
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