臓器発生と発癌は、増殖スピードや転写因子の発現パターンなど、様々な点で類似点が見られる。本研究の目的は、消化管粘膜上皮内内分泌細胞から分泌され、膵β細胞でのインスリン分泌を刺激し血糖降下作用をもたらすインクレチンホルモンのうちGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)に着目し、臓器発生と発癌の類似性の観点から膵β細胞の発生における関与および膵癌の進展における関与を明らかにすることである。具体的には胎児膵および膵癌においてGIPおよびその受容体の発現パターンを臓器発生および発癌段階で解析を進めることで発癌、癌の進展における役割を明らかにすることを目指す。最終年度はこれまでの結果の論文化中途である。
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