研究課題
糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて術後感染症合併症の発生頻度が高いとされている。また周術期に厳密な血管管理を行うことにより、感染性合併症の発生を抑制することが出来ると報告されている。しかし多くの追試で厳密な血管管理に伴う重篤な低血糖発生の危険性が報告されてきた。現在のところ周術期合併症を抑制する至適な血管管理濃域は明らかではない。人工膵臓を用いた血糖管理は、低血糖発作の危険性がなく、高い精度で目標血糖管理を達成できる理想的な方法である。これにより特に糖尿病患者において、消化器外科周術期における感染性合併症を抑制する至適な血糖管理濃度を明らかにする。すでに400例以上の症例で人工膵臓を用いた血糖管理の実績があり、これまでのところ低血糖発作は1例も経験していない。また糖尿病患者は全体の20%程度であった。これらの研究成果を国内、国外で発表し、この成果をもとに本研究を高知大学医学部倫理委員会に申請し、審査の結果認められた。登録患者への説明文書と同意書、同意撤回書を作成し、データベースを作成した。また臨床データ、術式や麻酔法、手術成績、サイトカインなどの液性因子、入院コストを記録する。血糖管理は80-110mg/dl, 110-150mg/dl, 150-180mg/dlの3郡にランダムに振り分け、臨床データを解析する。現在症例の登録を開始中である。
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