研究課題
これまでの研究でNOがIGF-I/insulin receptorおよびEGFRのリン酸化をも抑制することを確認したがそのメカニズムについてはいまだ解明されていない。本研究においては、これらの分子生物学的メカニズムを解明すると同時に、in vivoにおいてNOドナーによる癌治療の有効性とそのメカニズムについて検証することである。NOによるInsulin receptor substrate-1(IRS-1)の制御のメカニズムを解明するために、IRS-1蛋白と結合する蛋白がIRS-1の発現およびリン酸化を制御するという仮説の下、Yeast two hybrid assayを行った。IRS-1をbaitとし、これをYeastにて発現させcDNA libraryを遺伝子導入し発現させた未知の蛋白を釣り上げたのである。これにより、8個の蛋白が候補に上った。これらの蛋白のほとんどが細胞膜近くにて増殖シグナルに関与すると思われるものであった。そのうち一つの蛋白は膵癌細胞MIAPaCa2 cellにおいて発現し、IRS-1蛋白と結合することをbinding assayにて明らかとなり、またその蛋白の制御はIGF-I/PI3-K/Akt pathwayおよび増殖を制御することが明らかとなった。また、その遺伝子をクローニングし哺乳類細胞蛋白発現ベクターにsubcloningした。細胞内で高発現させ、IRS-1とのbinding assayおよび細胞形質の変化などのについて明らかにする予定である。
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Internationa Journal of Cancer
巻: Epub ahead of print ページ: in press
10.1002/ijc.28672