研究課題/領域番号 |
23592020
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40398459)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60236677)
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (60468288)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (90549734)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 膵液瘻 / ドレーン排液 / サイトカイン |
研究概要 |
膵頭十二指腸切除術後膵液瘻は腹腔内膿瘍や腹腔内出血を併発し敗血症や多臓器不全をおこし手術関連死亡につながる重篤な合併症である。このため、膵液瘻が重症化する指標は非常に重要である。現在は膵液瘻の指標として一般的にドレーン排液中のアミラーゼを測定しているが重症化の指標に関しては議論がいまだ多い。膵液瘻の指標となるドレーン排液中のアミラーゼ以外のバイオマーカーの探索を行うことを本研究の目的としている。膵液瘻重症化因子の同定および重症化膵液瘻早期診断モデルを確立することによって、治療対象となる重症化症例を鑑別し、従来の膵液瘻に対する画一的な治療を改善し、膵液瘻治療の新たなアルゴリズムを提唱する。実施計画として膵頭十二指腸切除術を施行症例においてドレーン排液中サイトカインをBio-Plexサスペンションアレイシステムによって網羅的探索を行い、ドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握することによってサイトカインの種類と定量を検索することとした。平成23年度は膵頭十二指腸切除術45症例を登録した。男性:女性は27:18、平均年齢は65.4歳であった。膵液瘻発生率は8/45(17.8%)であった。International study group of postoperative pancreatic fistula (ISGPF)による膵液瘻分類ではgradeA 6例、gradeB 2例であった。今後は膵頭十二指腸切除術100例まで登録し、Bio-Plexサスペンションアレイシステムによるドレーン排液中サイトカイン網羅的測定する。そしてドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握し、膵液瘻の有無によるサイトカインの種類と定量の統計学的解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Bio-Plex Precision ProTM ヒト サイトカインアッセイパネル(バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社、300,000円)はsingleアッセイの場合、1パネル当たり最大80サンプルのアッセイが可能である。1症例につきドレーン排液検体は術後1、4日であるから2検体、血液も同様に術後術後1、4日であるから2検体、合計4検体測定する。よってサイトカインアッセイパネルは1パネル当たり20症例の血液およびドレーン排液中のサイトカイン測定が可能である。現在45症例登録しているが、20症例登録ごとの測定していかなければ1パネルの無駄が生じる。このため、1症例登録されるごとの検体のサイトカイン測定は行っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度は膵頭十二指腸切除術45症例を登録した。今後は膵頭十二指腸切除術100例まで登録を継続する。評価項目および実験プロトコールは平成23年度の継続となる。【評価項目】(1)術後1-4日目のドレーン排液中アミラーゼ値・サイトカイン測定(2)ドレーン排液中サイトカイン測定:Bio-Plexサスペンションアレイシステムによるサイトカインの網羅的解析【実験プロトコール概要】Bio-Plexサスペンションアレイシステムによるドレーン排液中サイトカイン網羅的測定。Bio-Plex Precision ProTM ヒト サイトカインアッセイパネルを使用する。膵頭十二指腸切除術を施行する100症例まで登録しドレーン排液中サイトカインをBio-Plexサスペンションアレイシステムによって網羅的探索を行い、ドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握し、サイトカインの種類と定量を検索する。そして、重症膵液瘻の診断に有効なドレーン排液中サイトカインの同定を行う。以上の実験の次段階として(1)International study group of postoperative pancreatic fistula (ISGPF)による膵液瘻分類によって各症例を膵液瘻(-)・ISGPF grade A・ISGPF grade B/Cの3群に分類し、一元配置分散分析(ANOVA)によってISGPF grade B/C群に有意に発現するサイトカインを同定(2)重症膵液瘻の診断に有用なサイトカインのvalidation→重症膵液瘻の診断に臨床応用可能なドレーン排液中サイトカイン決定→ドレーン排液中サイトカイン値による重症膵液瘻予測回帰分析式を作成、という段階を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
Bio-Plex Precision ProTM ヒト サイトカインアッセイパネル(バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社、300,000円)はsingleアッセイの場合、最大80サンプルのアッセイが可能である。1症例につきドレーン排液検体は術後1、4日であるから2検体、血液も同様に術後術後1、4日であるから2検体、合計4検体予定。よってサイトカインアッセイパネルは1パネル当たり20症例の血液およびドレーン排液中のサイトカイン測定が可能である。よって本研究は100症例を目標としているため最も研究経費を費やすサイトカインアッセイパネルは900,000円必要とされる。また、Bio-Plexサスペンションアレイシステム消耗品としてBio-Plexバリデーションキット(100回分)(152,000円)、Bio-Plex MCVプレート(100,000円)、Bio-Plexキャリブレーションキット(98,000円)、シース液(18,000円)などが必要である。これらの消耗品を中心に必要研究費を算出している。
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