研究概要 |
AsPC-1 cell line(pancreatic cancer cell line)にmafB siRNAをtransfectしてmafB mRNA を抑制した系で、3次元培養を行い、BiostationCT timelapseで経時観察し、PKCzeta(apical marker), NaK-ATPase(basal marker)を免疫蛍光染色すると、mafB siRNA をtransfectした細胞は、コントロールと比べ、細胞辺縁への発現移行がみられた。細胞の極性形成にmafBの発現が関与している。Na/k ATPaseのtranslocationはCa channel stabilizationやCa concentrationの変化をもたらし、signaling pathway にも影響することが考えられる。 肝におけるbetaKlotho,FGF21,FGF19 の発現とmafの発現の関係を検討したところ、mafA, mafBとFGF19,FGF21でreciprocalな発現変化がみられ、FGFRsやbetaKlothoの発現は大きな変化が見られなかった。betaKlothoはFGF pathway に必須ではなく、intracellular translocationに関わり、transcriptional regulationには関わっていない可能性がある。 腎臓でmafA,mafB,c-mafの免疫染色をするとそれぞれ特異的な分布を示す。糖尿病高血糖マウスで最も発現の変化がみられたのはc-mafであった。IleumにおけるmafBの発現も特徴的で管腔側の上皮であり、極性形成やアポトーシスとの関連を示唆し、腸管上皮のや分化度や位置環境による性質の差を反映する可能性がある。
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