新しい生体吸収性人工血管の基材物質を開発し、その材料表面および基質に対するナノテクノロジー加工により、細胞接着性を変化させることに成功した。素材は、ポリカプロラクトンとポリ乳酸のマルチブロック共重合体を使用し、始めに厚さ50μmのフィルムを作成し、その材料表面を加水分解したところ、材料表面が多孔性となり、細胞侵入が容易となり、材料の生体吸収が促進されることを明らかとした。次いで、その基材からナノファイバーを作成し、電子紡錘技術を用いて新たなシートを作成することに成功した。このシートは張力が強く、また組織親和性がフィルムより高いことが明らかとなった。現在この素材を用い人工血管を作成中である。
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