ラパマイシンはmTORを抑制することにより内膜肥厚を抑制する。今回このメカニズムをバイパス吻合部に応用することを考えた。吻合部となる平滑筋細胞(冠動脈、大動脈)に対して siRNAを使用してmTORの発現を抑制した。mTORの一つ下流にあたるp70S6kinaseで比較するとsiRNA群でリン酸化が抑制された。また、実際のバイパス吻合部を観察すると狭窄、閉塞部位で石灰化を伴っていることが多い。石灰化も狭窄、閉塞をもたらす原因の一つと考えられる。石灰化を引き起こすリスクを検討すると糖尿病、透析で石灰化を促進する傾向を認めた。そのシグナリングを解明することが開存率上昇につながると思われる。
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