研究課題/領域番号 |
23592042
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西田 誉浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50284500)
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研究分担者 |
田ノ上 禎久 九州大学, 大学病院, 講師 (40372742)
園田 拓道 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50596830)
大石 恭久 九州大学, 大学病院, 助教 (20529870)
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キーワード | 末梢血単核球移植 |
研究概要 |
本研究の目的は、虚血性心筋症に対する新規治療法として、骨髄由来細胞に依らない末梢血単核球による血管新生療法の開発を目指すものである。低侵襲かつ安全性の高い末梢血単核球移植の治療効果と安全性を、大型動物を用いた慢性虚血心モデルで検証することを目的としている。 当研究室では、これまでに大型動物(家畜ブタ)を用いて、アメロイドコンストリクターによる慢性虚血心モデルを作成し、慢性虚血心筋への骨髄由来単核球の局所注入が、血管新生と心機能の改善に寄与する可能性を見出した。さらに治療後1年を経過しても腫瘍や不整脈の発生を認めず、長期での安全性を確認した。しかし、骨髄穿刺による骨髄由来単核球の採取は、侵襲性および安全性の面より臨床応用には適していない。そこで、骨髄由来細胞に依らない末梢血単核球を用いて、骨髄由来単核球移植と同等の効果を得ることを目指し、実験を進めている。 初年度は慢性虚血心への末梢血単核球移植の急性期における治療効果及びその安全性の判定を目指した。アフェレーシスを用いての末梢血単核球の採取を試みるも、十分な単核球成分を分離する方法の確立に難渋した。そこで、次年度はアフェレーシスに依らない末梢血単核球成分の採取方法の確立を目指し、G-CSF製剤を用いて骨髄由来細胞を末梢血に動員し単核球成分を増加させたのちに、単核球成分を末梢血より採取する方法を試み、単純な遠心分離により単核球成分を採取する方法で、より効率の良い採取する方法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度は、アフェレーシスを用いての末梢血単核球の採取を試みるも、十分な単核球成分を分離する方法の確立ができなかった。そこで、今年度はアフェレーシスに依らない末梢血単核球成分の採取方法の確立を目指したが、十分な単核球成分を採取するには至らなかった。現時点では、初年度に予定していた急性期における治療効果およびその安全性の判定を実現しておらず、達成度は遅れているといわざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
G-CSF製剤および単純な遠心分離法により、末梢血において単核球成分を十分に採取する方法の確立を目指し、急性期における治療効果およびその安全性の判定を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に必要な消耗品や薬品等の購入、データ解析を行うテクニカルスタッフの人件費に充てる予定としている。
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