研究課題
我々が独自に開発したDouble-layered collagen gel hemisphere(DL-CGH)法を用い、Necl-5の癌間質相互作用における役割について検討を行った。DL-CGH法を用いて、内層にGEPで蛍光標識したA549とWI-38を共培養したもの、RNAi法でNecl-5を抑制したGFP-A549とWI-38を共培養したものを各々作成し、比較検討を行った。外層に浸潤するGFP-A549を観察したところ、Necl-5の発現を抑制した群では、外層に浸潤したGFP-A549の細胞数が有意に減少しており、浸潤能が抑制されることが示された。WI-38に沿って外層に移動するGEP-A549を経時的に観察し、12時間後の移動距離について比較したところ、Necl-5を抑制したGFP-A549では、抑制していない群に比べ、有意に移動距離が減少していた。また、増殖能については、A549のcell lineにおいて、24時間、48時間、72時間後の細胞数をカウントすることとした。A549のNecl-5をRNAi法で抑制した群では、抑制していない群に比べ、48時間後、72時間後のA549の細胞数が有意に低下しており、増殖能が低下していることが示された。以上の結果より、Necl-5を抑制したA549では、細胞遊走能、増殖能がともに抑制された結果、浸潤能が抑制されることが明らかとなった。癌細胞におけるNecl-5は、細胞の移動、増殖に関わることが示唆された。更に、DL-CGH法において、癌細胞のNecl-5を抑制することで、癌の浸潤能が抑制された。癌間質相互作用においてNecl-5は重要な役割を担っていると考えられ、Necl-5は肺腺癌におけるmolecular targetになり得る。
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