研究課題/領域番号 |
23592065
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 勝也 九州大学, 大学病院, 助教 (60585743)
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研究分担者 |
片野 光男 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10145203)
大西 秀哉 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30553276)
中野 賢二 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 教授 (00315061)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | TrkB / BDNF / 肺大細胞神経内分泌癌 / MMP-2 / MMP-9 |
研究概要 |
TrkB/BDNF経路を標的とした肺神経内分泌(NE)腫瘍に対する診断および治療法を開発することである。目的の達成は、次の三段階、すなわち、(1)TrkB/BDNF経路の診断・予後予測への応用を検証するための、肺NE組織におけるNTファミリー分子発現プロファイルを作成、(2)TrkB/BDNF経路の治療標的としての可能性を検証するための、NE腫瘍細胞株を用いて、TrkB/BDNF経路の細胞生物学的意義の解析、および(3)臨床応用の可能性を高めるための、特異性の高いTrkBおよびBDNF抗体の作成により遂行する。以下、本年度に得られた新たな成果を記述する。各種癌組織におけるTrkB/BDNF経路関連分子発現プロファイルの作成を行うために、手術時摘出肺癌組織を用い、TrkB/BDNF経路関連分子発現を解析した。小細胞癌8例、大細胞神経内分泌癌(LCNEC)11例、大細胞癌10例、腺癌20例、扁平上皮癌55例の計104症例での免疫組織学的解析を行った。各組織型毎にTrkB高発現群と低発現群に分け、その予後解析を行った。LCNECはすべてTrkB高発現であった。扁平上皮癌においてはTrkB高発現群が有意に予後不良であった。全組織型における解析でTrkB高発現群は有意に病期分類で進行例が多く、術後再発率が高い結果であった。また、TrkB陽性肺NE細胞株(NCI-H460, NCI-H810)を標的細胞とした検討では、TrkB/BDNF経路が、細胞増殖には影響を及ぼさないが、細胞浸潤(Matrigel invasion assay)に大きく関与していることをsiRNAを用いて検証した。また、その浸潤能にMMP-2,MMP-9が関与していることも検証し得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種癌組織におけるTrkB/BDNF経路関連分子発現プロファイルの作成を行うために、手術時摘出肺癌組織を用い、TrkB/BDNF経路関連分子発現を解析した。小細胞癌8例、大細胞神経内分泌癌(LCNEC)11例、大細胞癌10例、腺癌20例、扁平上皮癌55例の計104症例での免疫組織学的解析を行った。各組織型に思いのほかばらつきがあり、今後も症例を積み重ね、詳細な検討を行うように予定している。
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今後の研究の推進方策 |
TrkB/BDNF経路を標的とした肺神経内分泌(NE)腫瘍に対する診断および治療法の開発を行う。1.TrkB/BDNF経路関連分子発現プロファイルの症例数を蓄積していく予定である。2.TrkB陽性肺NE細胞株(NCI-H460, NCI-H810)を標的細胞とした検討では、TrkB/BDNF経路が、細胞浸潤能亢進にMMP-2,MMP-9が関与していることを検証した。今後、この細胞株を用いたin vivoでの検証を行う。3.治療モデルの作成予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
TrkB/BDNF経路関連分子発現プロファイルのさらなる作成のため、手術摘出腫瘍組織を用いた免疫染色法を行うため、抗体等の消耗品購入が必要となる。In vivoでのTrkB/BDNF経路の検証のため、ヌードマウスの購入が必要となる。研究成果投稿料が必要となる。
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