Angiotensin II(AngII)が腫瘍の増殖、転移に関与している報告があるが、詳細な機序は不明である。我々は以下の実験にてその機序について検討した。WTはAngII投与すると血小板の活性化を促進するが、AT1a-/-では認められなかった。P-selectin中和抗体投与群は、WTでは腫瘍の転移形成の抑制を認めたが、AT1a-/-では認められなかった。更に、WTでは血小板由来のSDF-1及びVEGFの中和抗体を投与すると腫瘍の転移は抑制されたがAT1a-/-では認められなかった。これらの結果より、血小板の活性化によりAT1aシグナルが腫瘍の転移を促進する事が示唆された。
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