研究課題/領域番号 |
23592075
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
関根 康雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70312957)
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研究分担者 |
廣島 健三 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80218833)
桂 秀樹 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20277213)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 肺癌 / 肺気腫 / 発癌 / Driver oncogene |
研究概要 |
多施設共同研究であるCOPD患者の経時的呼吸機能・画像変化と肺癌発生調査については計310例の症例集積が行われ、Lung Visionによる登録時および1年経過時の画像解析が行われた。肺癌発見も3例にみられ、従来報告されていたCOPDからの肺癌発症確率年間1%に一致する結果が出ている。 千葉市肺がん検診を利用したCOPDスクリーニングにおいても、受診者約89000人の約4%がCOPD疑いとなり、精密検査によってそのうちの約25%がCOPDの診断となった。このことは検診発見確率の面から適正な発見率と考えられた。現在論文を投稿中である。 肺癌術後合併症および長期予後に関して、COPD/IP合併肺癌例とCOPD単独合併肺癌とを比較したところ、COPD/IP合併肺癌でより高い術後合併症発症と低い長期予後となることが判明し、その結果は雑誌「肺癌」にacceptされた。現在結果を再度解析し直し、英語論文として投稿する準備を進めている。 COPD合併肺癌において、COPDの重症度が増すほどその長期予後が低下することを350例の臨床研究にて証明し、Thorac Cardiovasc Surgにacceptされた。 現在COPD合併扁平上皮癌症例のDriver oncogene発現を免疫染色にて探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り論文に至る結果が出ている。肺がん検診を利用したCOPD発見の科学的調査、肺がん手術例の疫学調査、COPD症例の長期経過観察に基づく発癌研究など、臨床研究については、並列して順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究に結びつく病理組織標本におけるDriver oncogene発現の探索も始まり、COPDからの発癌メカニズムと気腫化との関係を明らかにする可能性が出てきていると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在肺扁平上皮癌のDriver gene発現に関する免疫染色を行っているが、positive controlが確立された。今後は実際の患者病理組織を染色し、発現と肺機能および気腫化の重症度との関連を調べていく。 東金市の集団検診による肺がん検診を利用したCOPD発見に関する調査を施行し、千葉市個別検診との相違を調査していく。
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