研究課題/領域番号 |
23592078
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
森田 一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30200413)
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研究分担者 |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
繁光 薫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50585007)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 非小細胞性肺癌 / HSP90阻害剤 |
研究概要 |
非小細胞肺癌、特に腺癌に対する分子標的治療研究が進み、EGFR-TK変異型肺癌に対するgefitinibやelrotinibさらに EML-4ALK 発現型肺癌への crizotinibの有効性が報告されてきている。一方喫煙との関連が報告されているKRas変異型非小細胞肺癌は、前2者とは排他的関係にありKRas変異型非小細胞肺癌に対する治療法が未だ確立されない中、2009年Sosらは遺伝子背景の異なる肺癌細胞株を用いた検討よりKRas変異型非小細胞肺癌に多く特定HSP阻害剤が高い感受性を示すことを報告している (Sos M et al. J Clin Invest. 119:1727-40. 2009)。HSP90阻害薬は癌における多数のシグナル伝達経路を阻害し、細胞周期、細胞分裂、apoptosis、ストレス耐性などに関わる複数のクライアント蛋白を同時に阻害し、癌の増殖を抑制する。我々は非小細胞肺癌に対する新しい治療法開発を目的とし、新規HSP90阻害薬AUY922のRas変異型肺癌を含む非小細胞肺癌株への抗腫瘍効果を検討した。 Cell viability assay の結果より当該阻害剤は、Ras変異型肺腺癌株: H358、H441に対し細胞増殖抑制効果を示し、A549株に対して増殖抑制効果は低値であった。Hoechst染色による解析にて、AUY922は前2者に対し、クロマチン凝集を伴うapoptosisを誘導したが、後者ではこの変化は認められなかった。3種のRas変異型株においてH358、H441はRas依存性、A549細胞はRas非依存性であることが報告されており(Singh A et al. Cancer Cell 15: 489-500, 2009)、AUY922は前者に対し抗腫瘍性を示す可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の研究計画として、in vitroの研究を中心とし、遺伝子背景の異なる肺癌細胞におけるHSP90阻害剤の抗腫瘍性の検討と 作用機序の解析を予定していたが、現在後者の検討を継続して行っており、解析終了までに暫くの期間を要する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度研究計画におけるHSP90阻害剤の作用機序の解析を終了後、当初の予定通りin vivoでの制癌効果の解析ならびに正常組織障害の評価を行う。研究計画最終年度において、他種抗癌剤・分子標的薬剤と併用効果の検討をin vitro, in vivo双方で行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、24年度請求額とあわせ、現在取り組んでいる、HSP90阻害剤の作用機序解析に必要な細胞・分子生物試薬費また、当初の研究計画にあるin vivoでの抗腫瘍効果の解析、正常組織障害の評価に必要な細胞・分子生物試薬費、実験動物購入費を使用する。研究計画の遅れから、肺癌細胞におけるHSP90阻害剤の作用機序の解析を現在行っており、次年度使用予定助成金が生じている。
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