研究課題/領域番号 |
23592080
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
竹之山 光広 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (10309966)
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研究分担者 |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 講師 (90389445)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
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キーワード | CTL / 呼吸器悪性腫瘍 / 腫瘍抗原 / 特異的免疫応答 |
研究概要 |
本研究では、呼吸器悪性腫瘍患者の自家がん特異的免疫応答を利用した新規腫瘍抗原の同定・解析を行うことにより、新たな診断、治療の標的となる分子の探索を行う。特に自家がん特異的免疫応答を利用するため、実際に癌患者生体内で生じている生体防御機構の解明にもつながる。平成23年度は、研究計画1)-3)に対して以下の結果を得た。 1)新たな肺大細胞癌の自己リンパ球-自己腫瘍細胞システムを用いて、リンパ球-腫瘍細胞混合培養を繰り返し、自家がん特異的細胞障害性T細胞のlineを誘導した。このbulk CTLから限界希釈法でCTL cloneを得られた5クローンの内、Clone 2-4を用いて、抗腫瘍活性を検討したところ、自家肺癌細胞に特異的に細胞障害性を示し、また他家の肺腺癌、肺扁平上皮癌を認識し、これらの活性は抗HLA-A24抗体で阻害された。 2) Clone 1を用いてcDNA発現クローニングの結果、陽性反応を示すcDNA cloneのアミノ酸配列から、HLA-A2402拘束性binding motifを有する5種類のアミノ酸を合成し、CTLとの反応性を検討した。Peptide1に反応性の上昇を認めたが、反応が弱いため、別の候補ペプチドを合成している。 3) 肺腺癌からわれわれが同定した癌精巣抗原である、KK-LC1の新規エピトープの探索のために、日本人に頻度の高いHLA-A2, A24にbinding scoreの高いHLA-A2ペプチドとHLA-A24ペプチドを、同患者の自己の末梢血単核球から誘導した樹状細胞にpulseし、凍結保存しておいたリンパ節リンパ球をresponderとして、共培養を繰り返したところHLA-A2拘束性のbulk CTLが誘導された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな自家がん特異的CTLクローンの樹立、およびcDNA発現クローニング法で陽性のcDNA cloneが単離までが進み、抗原ペプチドの選定の課程まで進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定である平成25年度の計画書に従い進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
CTLの誘導・培養、sequence解析、エピトープペプチド同定などに必要な、ディスポ製品 試薬・抗体、RI、動物の購入費、成果発表に使用する。
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