研究課題
本研究では、呼吸器悪性腫瘍患者の自家がん特異的免疫応答を利用した新規腫瘍抗原の同定・解析を行うことにより、新たな診断、治療の標的となる分子の探索を行う。特に自家がん特異的免疫応答を利用するため、実際に癌患者生体内で生じている生体防御機構の解明にもつながる。平成25年度は、研究計画に対して以下の結果を得た。1) HLA class I欠失肺癌細胞株C831Lにβ2-microglobulin geneを移入して作成したHLA-class I発現陽性C831L-wβ2m株を用いて、新たにHLA-A2拘束性CTL を誘導した。CTL cloneおよびC831Lから作成したcDNA libraryを用いてcDNA expression cloningによるスクリーニングを開始した。2) 肺大細胞癌患者から樹立した自家肺癌細胞株特異的CTL Clone 1を用いてcDNA発現クローニングの結果、陽性反応を示すcDNA cloneのアミノ酸配列から、HLA-A2402拘束性binding motifを有する複数のアミノ酸を合成し、CTLとの反応性を検討した。腫瘍細胞との反応と同程度の反応を示すpeptideは現時点では認められないため、minigeneからのアミノ酸配列絞り込みを進めている。3) 肺腺癌からわれわれが同定した癌精巣抗原である、KK-LC1の新規エピトープの探索のために、日本人に頻度の高いHLA-A2, A24にbinding scoreの高い4種のHLA-A2ペプチドと2種のHLA-A24ペプチドを、同患者の自己の末梢血単核球から誘導した樹状細胞にpulseし、凍結保存しておいた自家リンパ節リンパ球をresponderとして、共培養を繰り返し、HLA-A2拘束性のbulk CTLが誘導され自己肺腺癌株に細胞障害性をしめし、HLA-A2ペプチド1に反応しサイトカイン産生を示した。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件)
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