研究課題/領域番号 |
23592083
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
柳澤 俊晴 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20311574)
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研究分担者 |
菅原 卓 秋田大学, 医学部, 講師 (80241660)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 脳虚血 / アポトーシス / ARB / チトクロームc |
研究概要 |
脳虚血後の細胞死(アポトーシス)において、アポトーシス促進因子のどのレベルでARBが細胞保護効果を発揮しているかを検討した。成熟雄性SDラットに7日間candesartan(0.1, 1, 10 mg/kg/day)またはvehicleを経口投与し,前述のSmith法により全脳虚血(5分間,31-35 mmHg)を行い,虚血後もARBまたはvehicleの投与を継続した。この2群において下記のcytochrome c依存性アポトーシスに関する検討を行った。免疫組織染色:6ミクロンのパラフィン切片をcytochrome c, caspase-3, 7, 9に対する抗体を用いて免疫染色した。また,これらの蛋白を表出している細胞を特定するため,GFAP(glial fibrillary acidic protein)あるいはNeuN (neuron specific nuclear protein)との二重染色を行った。また,これらの蛋白のミトコンドリア内外の局在を確かめるため,ミトコンドリアマーカーMitoTrackerとの二重染色もあわせて行った。その結果、ARBはcytochrome cの細胞質への漏出を抑制していることが明らかとなった。また、caspase-3と-9はARB投与ラットで活性化が抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳虚血後の細胞死(アポトーシス)において、アポトーシス促進因子のどのレベルでARBが細胞保護効果を発揮しているかを検討した。免疫染色の結果は再現性よく観察されたが、Western blotは現在も施行中である。研究進行具合はおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はWestern blotによる検討を継続し、免疫染色の結果を裏付ける予定である。また、ARBと結合するHSPについてもアフィニティーカラムを用いた検討を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫染色と同じ時期に海馬CA1領域(約50mg/匹)を摘出する.正常状態でミトコンドリア内に局在する蛋白,cytochrome c, caspase-9 用には細胞質分画,ミトコンドリア分画を選択的に採取する.低速(750 x g)で遠心して細胞膜,核をpelletとして取り除き,supernatantを高速(10000 x g)で遠心してミトコンドリア画分をpelletとして保存する.最後にsupernatantの細胞質画分から粗面小胞体やリボゾームを除くために超高速(100000 x g)で遠心する.caspase-3, 7用には全細胞分画を採取するので摘出した組織をそのまま超音波破砕して低速で短時間遠心し(750 x gで5分程度),全細胞分画を用いる.抽出した蛋白はSDS-PAGE法を用いてWestern blot を行う.内部標準としてβ-actinを染色し,densitometerで統計学的に評価する.
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