研究課題
難治性てんかんでは、発作焦点の同定が治療方針決定において不可欠である。低侵襲で焦点診断精度の高い画像診断法の開発が期待される。我々は以前焦点検索のための中枢性ベンゾジアゼピン受容体イメージングであるI-123イオマゼニルSPECT画像とMRIを融合し、画像処理を行うことで受容体結合密度を算出する方法(部分容積効果補正法)を提唱していた。当研究では、健常者SPECTデータに関して同画像処理を行い、受容体結合密度の正常分布とその加齢影響を明らかにした。また、多数例の難治性てんかん臨床画像に対して、同画像処理によって受容体結合密度を算出した。この受容体結合密度画像によって、てんかん焦点検索の精度が有意に改善することを示し、その有用性と必要性を明らかにするに至った。結果に関して学会および論文発表を行った。さらに脳のSPECTに関して、吸収補正法が画像に与える影響に関する評価を行った。吸収補正法はChang法とCTを用いた方法との比較を行った。結果に関して学会発表を行った。基礎的研究に関しては、小動物用PET/CTあるいは11.7T MR撮像装置を用いてんかんや脳血管障害に対する新たな画像診断法を開発するための基礎となる、疾患モデル小動物のPETおよびMRIイメージングの実験環境を構築した。ラットあるいはマウスの撮像後、画像をresliceした上で自動的にvoxel単位で融合、解剖学的標準化を行うことによってvoxel単位の機能画像比較を行うImaging Charterを作成した。これに基づきO-15 PET、F-18 DPA714 PETによって、脳慢性低灌流状態における脳循環代謝、神経炎症(グリオーシス)をin vivoで評価を行う実験系を確立した。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
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10.1007/s12149-013-0752-2.