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2012 年度 実施状況報告書

幼若骨髄単核球移植による、老齢マウスでの脳虚血保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 23592093
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

秦 龍二  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90258153)

研究分担者 大西 丘倫  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70233210)
久門 良明  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80127894)
阪中 雅広  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60170601)
キーワード脳虚血 / 再生療法 / 骨髄単核球 / 骨髄幹細胞
研究概要

自己骨髄単核球を用いた移植治療が、虚血性心疾患や末梢動脈閉塞症患者に対する新たな再生療法として確立されてきている。例えば急性期心筋梗塞患者に自己骨髄単核球を投与した臨床試験では、血管系を介する自己修復機構の促進により、慢性期に心機能が向上し
、死亡率が低下することが報告されている。一方虚血性脳血管障害に対しても、骨髄単核球移植が有効な可能性が示唆されている。骨髄単核球には血管内皮前駆細胞や造血幹細胞等の種々の幹細胞を含むと考えられ、これらの骨髄系幹細胞を移植すると、虚血領域での
血管発生 (vasculogenesis) 効果や、サイトカインや増殖因子の分泌による血管新生(angiogenesis) 効果(即ち、既存の血管内皮細胞の増殖・遊走を促進する効果)、及び組織再生効果があることが確認されている。更に骨髄単核球は加齢とともに、細胞数が減少し、その機能も低下することが知られている。そこで本研究では虚血性脳血管障害に対しても、骨髄単核球移植が有用かどうかを検討するため、幼年期のマウスより採取した骨髄単核球が、脳虚血障害を軽減させる効果があるかどうかを老齢マウス脳虚血モデルを用いて検討した。昨年度の結果では脳虚血後に骨髄単核球移植を行っても明らかな治療効果を認めなかった。そこで本年度は脳虚血前に老齢マウスに若年骨髄単核球移植を行うことにより、治療効果の有無を検討した。具体的には、生後1年の老齢マウスの中大脳動脈を閉塞1ヶ月前に、生後1ヶ月の幼若マウスと生後1年の老齢マウスより採取した骨髄単核球を移植し、移植1ヶ月目の脳梗塞量を検討した。その結果両郡の脳梗塞量に統計的には有意ではないが、幼若マウスの単核球移植群で梗塞量の減少傾向を認めた。実験動物の匹数が少ないためと考えられ(現時点で各群n=4)、現在匹数を増やして確認を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

6月に代表研究者の秦が愛媛大学医学部から藤田保健衛生大学医学部へ移動したため、研究に遅れを生じている。次年度はその分を取り返す様に研究を強力に推進していく予定。

今後の研究の推進方策

前年度は、6月に代表研究者の秦が愛媛大学医学部から藤田保健衛生大学医学部へ移動したため、研究に遅れを生じた。本年度はその遅れを取り返すように研究を進めていく。特に幼若骨髄単核球移植による脳虚血保護効果の分子機構に焦点をあてて研究を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

1)幼若骨髄単核球移植と老齢骨髄単核球移植が脳虚血に及ぼす効果の検討:生後1ヶ月目の幼若マウスと生後1年の老齢マウスより骨
髄単核球を採取し、老齢マウスの骨髄に移植する。その後中大脳動脈を閉塞し、幼若骨髄単核球移植による脳虚血保護効果の有無を検
討し、その分子機構を解明する。
2)CD34やCD31を除去した骨髄単核球移植が脳虚血に及ぼす効果の検討:生後1ヶ月目の幼若マウスより採取した骨髄単核球から、磁
気細胞分離法によりCD31、CD34及びCD133陽性細胞を除去した骨髄単核球を移植する。これにより骨髄単核球のうちどの幹細胞が最も
重要な脳虚血保護効果を持つかを検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Modeling Alzheimer's Disease with iPSCs Reveals Stress Phenotypes Associated with Intracellular Aβ and Differential Drug Responsiveness.2013

    • 著者名/発表者名
      Kondo T, Hata R, Ueno SI, Yamanaka S, Inoue H et al.
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell

      巻: 12 ページ: 487–496

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Targeted disruption of organic cation transporter 3 (Oct3) ameliorates ischemic brain damage through modulating histamine and regulatory T cells.2012

    • 著者名/発表者名
      Zhu P, Hata R, Ogasawara M, Cao F, Kameda K, Yamauchi K, Schinkel AH, Maeyama K, Sakanaka M
    • 雑誌名

      J Cereb Blood Flow Metab

      巻: 32 ページ: 1897-1908

    • DOI

      10.1038

    • 査読あり
  • [備考] 講座情報

    • URL

      http://www.fujita-hu.ac.jp/~hnagashi/KDB/open/100011.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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