研究課題/領域番号 |
23592095
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
氏福 健太 長崎大学, 大学病院, 助教 (20437867)
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研究分担者 |
松尾 孝之 長崎大学, 大学病院, 講師 (00274655)
林 健太郎 長崎大学, 大学病院, 講師 (40404222)
鎌田 健作 長崎大学, 大学病院, 助教 (30549655)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 悪性腫瘍 / 核酸 / 組織細胞 / 脳神経疾患 / マイクロRNA |
研究概要 |
神経膠芽腫(以下GBM)のテモゾロマイド(以下TMZ)に対する獲得薬剤耐性に関与するマイクロRNA(以下miRNA)として、miR-195、miR-455-3p、miR-10a*が挙げられることを先行研究で示した。本研究では、特にmiR -195に焦点を絞り、機能解析を推進する。試験管内の研究(In vitro)において、ヒトGBM細胞株(U251MG)とTMZ耐性株(U251R)を用いて、機能獲得(gain of function)実験や、レポーターアッセイ等を行い、標的mRNAを確認する。また、タンパク質レベルでの機能解析も行う。実験動物での研究(In vivo)では、SCIDマウス異種移植モデルを用いてin vitro研究の再現性を確認する。手術検体を用いた臨床検体での検証も行う。 薬剤耐性に関与するmiRNAについての知見は乏しく、しかも獲得耐性に着目したところが本研究の独創的な点であり、今後のGBM臨床に役立つ知見を得るべく、検討を開始した。 In vitroの検討において、予想外の結果がでて、in vivoの研究も含めて若干の滞りが生じている。一方で、臨床研究については前倒しで開始している。2004年より開始した、アミノレブリン酸を用いた術中蛍光診断に基づくGBM摘出術を継続しており、検体を採取、検討中である。初代培養樹立についても新たな検討を計画中である。 本研究に問題が生じた場合の副次的研究として、GBMと脳血管関門に関する研究を同時並行で進めていた。腫瘍と血管の微小環境(ニッチ)について、興味深い知見が得られたので、論文を作成し、現在学術雑誌に投稿中である。 また、先行研究の方法論、研究モデルを応用した、食道がん研究、ケロイド研究が公表され、本研究代表者も著者に名を連ねている(研究発表後述)。次年度も、本研究および副次的研究も含め、検討を続行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In vitroの検討において予想外の結果が出たため、in vivoの研究も含めて遅れが出ている。臨床研究については前倒しで開始している。一方、副次的研究で、予想外の興味深い知見が認められ、論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
本体研究については、引き続き、臨床検体での検証を進め、本研究仮説の妥当性を検証する。In vitro, in vivoの研究については、てこ入れを検討する。 前述の通り、本体研究に問題が生じた際の副次的研究として開始した、GBMと脳血管関門についての微小環境(ニッチ)についての研究で、興味深い知見が得られたため、論文投稿中である。公表され次第、詳細を報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬の値上げ(術中蛍光診断に用いる5ALA)などがあり、さらに厳しい運用を迫られると思われる。旅費や、その他の費用を抑えて対応していく。
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