研究課題/領域番号 |
23592095
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
氏福 健太 長崎大学, 大学病院, 助教 (20437867)
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研究分担者 |
松尾 孝之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00274655)
林 健太郎 長崎大学, 大学病院, 講師 (40404222)
鎌田 健作 長崎大学, 大学病院, 助教 (30549655)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 核酸 / 組織細胞 / 脳神経疾患 / マイクロRNA |
研究概要 |
神経膠芽腫(以下GBM)のテモゾロマイド(以下TMZ)に対する獲得薬剤耐性に関与するマイクロRNA(以下miRNA)として、miR-195、miR-455-3p、miR-10a*が挙げられることを先行研究で示した。本研究では、特にmiR -195に焦点を絞り、機能解析を推進する。試験管内の研究(In vitro)において、ヒトGBM細胞株とTMZ耐性株を用いて、機能獲得実験や、レポーターアッセイ等を行い、標的mRNAを確認する。また、タンパク質レベルでの機能解析も行う。実験動物での研究(In vivo)では、SCIDマウス異種移植モデルを用いてin vitro研究の再現性を確認する。手術検体を用いた臨床検体での検証も行う。薬剤耐性に関与するmiRNAについての知見は乏しく、しかも獲得耐性に着目したところが本研究の独創的な点である。 In vitroの検討において、予想外の結果がでて、研究の滞りが生じている。臨床研究については前倒しで開始し、継続中である。2004年より開始した、アミノレブリン酸を用いた術中蛍光診断に基づくGBM摘出術を継続しており、検体を採取、検討中である。初代培養樹立について、施設の倫理委員会(IRB)に申請し、了承は得られたが、実際の検討はこれからである。 本研究に問題が生じた場合の副次的研究として、GBMと脳血管関門(BBB)に関する研究、脳腫瘍におけるマイクロキメリズムの検討などを同時並行で進めていた。特に、脳血管primary cultureで作成されたBBBモデルを用いて行った、腫瘍と血管の微小環境(ニッチ)についての研究において、興味深い知見が得られ、論文を作成し学術雑誌に投稿、掲載された(Cell Mol Neurobiol. 2013 May;33(4):498-501)。次年度も、本研究および副次的研究も含め、検討を続行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(理由) In vitroの検討において予想外の結果が出たため、in vivoの研究も含めて遅れが出ている。臨床研究については前倒しで開始し、継続実施している。 一方、副次的研究で、GBMと脳血管関門(BBB)に関して予想外の興味深い知見が認められたため、結果を論文にまとめ、学術雑誌に掲載された(Cell Mol Neurobiol. 2013 May;33(4):498-501)。
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今後の研究の推進方策 |
本体研究については、引き続き、臨床検体での検証を進め、本研究仮説の妥当性を検証する。In vitro, in vivoの研究については、てこ入れを検討する。 前述の通り、本体研究に問題が生じた際の副次的研究として開始した、GBMと脳血管関門についての微小環境(ニッチ)についての研究で、興味深い知見が得られ、論文が学術雑誌に掲載された。 引き続き、本体研究、副次的研究ともに継続していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験試薬、施設使用費、論文作成校正費用が大半を占めることになる。国内外の学会参加も少なくとも1回以上計上する必要がある。
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