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2011 年度 実施状況報告書

直接血管吻合によらない脳血流改善治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592098
研究機関熊本大学

研究代表者

大森 雄樹  熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60599116)

研究分担者 倉津 純一  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20145296)
森岡 基浩  久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
矢野 茂敏  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (60332871)
河野 隆幸  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50448536)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード慢性脳血流低下 / 間接血行再建術 / 血管新生 / G-CSF / バナジン酸
研究概要

慢性脳血流低下は、脳内の主幹動脈閉塞・狭窄症やもやもや病などに見られる病態である。この病態は脳梗塞の原因となるばかりでなく、認知機能障害の一因となっており、今後の高齢化の加速に伴いその患者数はますます増加すると予想される。以上のような成人慢性脳血流低下例に対して、有効で低侵襲な治療法を開発すべく、慢性脳血流低下モデルラットを使って間接血行再建術+G-CSF投与実験を行い解析した。その結果、脳血流と血管数の有意な増加とG-CSFによる間接血行再建の血管新生増幅効果を認めた。その成果は2011年5月にNeurosurgeryに掲載された。次に、慢性脳血流低下モデルラットにおいて、間接血行再建術+G-CSFにバナジン酸を同時に投与し、血管新生効果が更に増幅されるかを検証した。現在、結果を解析中であり、必要に応じて追加実験を行う予定である。また、慢性脳血流低下における血管新生の機序についても、上記モデルを用いて、様々な抗体による免疫染色を行い解析した。今後は、ウェスタンブロットを用いた定量化と大脳半球からcDNAを作製し、メッセンジャーRNAの発現パターンを解析する予定である。臨床研究としては、慢性脳血流低下を示す患者に、従来の抗血小板剤投与などの内科的治療と直接血行再建術などの外科的治療を行った上で、脳血流改善が十分でない症例を登録し、間接バイパス術+G-CSF治療を行う治験準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

慢性脳血流低下に対する間接血行再建術+G-CSF投与による脳血流改善効果の証明は、順調に行うことができ、国際誌にも掲載されたが、血管新生因子の同定のために行っている、抗体による免疫染色で、有意な結果が得られず、試行錯誤を繰り返したために、予定より研究の進捗が遅れた。また、臨床治験に関しては、適応症例の発生が、予定通りではないためやや遅れている。

今後の研究の推進方策

バナジン酸を追加投与することで、間接血行再建術+G-CSF投与による血管新生の増幅効果が得られるか否かを検証する。慢性脳血流低下における血管新生の機序の解析に関しては、抗体による免疫染色による血管新生因子の同定とウェスタンブロットを用いた因子の定量化を行うとともに、大脳半球よりcDNAを作製し、メッセンジャーRNAの発現パターンを解析する。臨床例は、引き続き該当症例の登録と臨床治験の準備を進め、治験の早期開始に努める。

次年度の研究費の使用計画

実験動物と実験用試薬、抗体、手術用器具に70万円を使用し、情報収集と成果発表のための学会参加に30万円、合計100万円をしようする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Granulocyte Colony-Stimulating Factor Enhances the Angiogenetic Effect of Indirect Bypass Surgery for Chronic Cerebral Hypoperfusion in a Rat Model2011

    • 著者名/発表者名
      Yuki Ohmori
    • 雑誌名

      Neurosurgery

      巻: 68 ページ: 1372-1379

    • DOI

      10.1227/NEU.0b013e31820c0289

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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