研究課題/領域番号 |
23592098
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大森 雄樹 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60599116)
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研究分担者 |
倉津 純一 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20145296)
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
矢野 茂敏 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (60332871)
河野 隆幸 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50448536)
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キーワード | 慢性脳血流低下 / G-CSF / 血管新生 |
研究概要 |
慢性脳血流低下は、頭蓋内主幹動脈閉塞・狭窄症やもやもや病などに見られる病態である。この病態は脳梗塞の原因となるばかりでなく、認知機能障害の一因となっており、今後の高齢化の加速に伴いその患者数はますます増加すると予想される。以上のような慢性脳血流低下例のうち、特にもやもや病に対して、有効で低侵襲な治療法を開発すべく、直接+間接血行再建術を23例33側に行い、どの血管からの血管新生効果が効果的かを検証した。結果は、直接法では浅側頭動脈と中硬膜動脈が有意に血管新生効果を示し、間接法では、中硬膜動脈>浅側頭動脈の順に有意な血管新生効果を示した。この研究成果を日本脳神経外科学会総会で発表した。現在、論文作成中である。 また、慢性脳血流低下における血管新生の機序についても、慢性低灌流モデルラットを用いて、様々な抗体による免疫染色を行い解析したが、有意差のある結果は得られなかった。従って、今後はウェスタンブロットを用いた定量化を用いて解析する予定である。 その他の臨床研究としては、慢性脳血流低下を示す患者に、従来の抗血小板剤投与などの内科的治療と直接血行再建術などの外科的治療を行った上で、脳血流改善が十分でない症例を登録し、間接バイパス術+G-CSF治療を行う治験準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性脳低灌流を示す疾病の一つである、もやもや病において臨床的に有効な血行再建術についての実践と解析は順調に進んだが、慢性脳低灌流モデルラットでの血管新生因子を同定するには至らず、試行錯誤を繰り返しているため予定より研究の進捗が遅れた。 臨床治験に関しては、適応症例の発生が、予定通りでないために遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
間接血行再建術+G-CSF投与により血管新生の増幅効果が得られる機序の解析に関しては、引き続き抗体による免疫染色による血管新生因子の同定とウェスタンブロットを用いた因子の定量化を行う。 臨床例は、引き続き該当症例の登録と臨床治験を進め、治験の早期開始に努める。また、臨床例での血管新生因子の解析も平行して行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物、実験用試薬、抗体、手術用器具、データ解析に70万円を使用し、情報収集と成果発表のための学会参加に30万円、合計100万円を使用する予定である。
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