研究課題/領域番号 |
23592101
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30343388)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | mesenchymal stem cell / transplantation / immunity |
研究概要 |
初年度は研究のベースとなるヒト間葉系幹細胞(hMSC)の細胞性免疫と液性免疫の基礎データを解析した.細胞性免疫に関しては,細胞表面分子についてDNAレベルと実際に発現している分子の両面から,液性免疫に関しては,サイトカインの発現につき検討した.まずは未刺激時における細胞の状態を把握するため,通常培養条件下でのhMSCを使用した.hMSCは購入したcell lineを用いると同時に,実際に血液からhMSCを単離培養し解析に使用した.1)細胞性免疫の解析:はじめに,DNA arrayにより細胞表面分子のDNA解析を施行した.今まで言われてきたような細胞表面分子とは解析結果に解離があったため,次いでFACSにより表面分子の発現解析を行った.主要組織適合遣伝子複合体や抗原提示能を有するCD分子の発現をスクリーニング的に精査したところ,やはりDNAレベルで存在していても,細胞表面抗原としては発現されていないものも存在した.cell lineと単離したhMSCとの比較では,表面抗原の発現は同様であった.DNA array, FACSにより解析した細胞表面抗原の発現パターンからは,hMSCは未分化であり,未刺激時には抗原提示能に乏しいことが判明した.2)液性免疫の解析:hMSCの培養上清をbeads assayした.サイトカインの発現を調べたところ,炎症性サイトカインが放出されていることを確認した.サイトカインの放出パターンはcell line, 単離したhMSCともに同様であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト間葉系幹細胞の細胞性,液性免疫の基礎となるデータが獲得され,交付申請書記載の計画1は終了した.現在は計画2,3の研究が進行中である.
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今後の研究の推進方策 |
1)細胞性免疫の解析:実際の移植免疫を想定した実験を施行する予定である. 2)液性免疫の解析:培養条件によるサイトカインの変化を検討する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費は,上記のように抗体購入,array kitの購入などに充てる予定である.また,ある程度結果がまとまった時点で,研究成果を学会発表する予定なので,その旅費にも使用する予定である.
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