頚動脈狭窄症18例についてCaスコアにより高・低石灰化粥腫群(平均587.0±204.0 vs. 61.8±26.9)に分類し、CEAで摘出した粥腫内の遺伝子発現の差異について検討した。血管新生・成長因子関連遺伝子として1)を満たす、175プローブセット・93転写物のうち、2)を満たしたのは、ANGPTL4(発現増強)とFGFR2(発現抑制)であった。両者の蛋白発現はWB解析、免疫染色で確認された。ANGPTL 4発現増強は、FGFR2発現抑制とともに、主に血管新生抑制作用に関連して惹起されたものと推察され、高度石灰化頸動脈粥腫における安定性、無症候性を分子生物学的に支持する結果と考えられた。
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