研究課題/領域番号 |
23592103
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
久保 慶高 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00316366)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | くも膜下出血 / 血小板 / 食欲低下 / アドレノメデュリン / 脳血管攣縮 |
研究概要 |
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)患者における血小板増加ならびに食欲低下という特異的な病態の解明をテーマとした。1.SAH患者において血小板増加に関わる因子と脳血管攣縮・予後の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂によるSAH患者22人を対象とした。発症0日目と8日目に血小板数、フィブリノーゲン、VWF、RANTS、血小板マイクロパーティクル、sCD40L、PDGFを測定し、脳血管攣縮の有無や予後との関連性を検討した。【結果】現在解析中である。2.SAH患者において食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂によるSAH患者22人を対象とした。発症3日目と8日目に食欲に関与すると言われる髄液アドレノメデュリン、血清グレリン、血清レプチン、成長ホルモン、1日経口摂取kcal/kg、食欲のVAS、他の血液検査(血糖、インスリン、アルブミン、ヘモグロビン、中性脂肪)を測定し、脳血管攣縮との関連性を検討した。【結果】全SAH患者において発症8日目では3日目に比べて、有意に髄液中アドレノメデュリン増加、血清グレリン低下、血清レプチン増加、1日経口摂取量(kcal/kg低下)、食欲のVAS低下、血糖低下、インスリン低下、アルブミン低下、ヘモグロビン低下を認めた。症候性脳血管攣縮患者では有意に髄液中アドレノメデュリン増加とアルブミン低下を認めた。【結語】1)髄液中アドレノメデュリン増加は食欲低下と症候性脳血管攣縮を惹起する。2)血清グレリン低下、血清レプチン増加、血糖低下、インスリン低下はSAH出血によるカテコールアミンサージが関与している、3)アルブミン低下は脳血管攣縮を増悪させ予後を不良にさせる、可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は動物実験の予定であったが、東北大震災の影響で動物実験が出来なくなり、臨床研究を先行させた。
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今後の研究の推進方策 |
1.「SAH患者における血小板増加に関わる因子と脳血管攣縮・予後の検討」研究を完成させる。2.「SAH患者における食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性」研究を学会発表し、論文を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
「SAH患者における血小板増加に関わる因子と脳血管攣縮・予後の検討」研究における血小板数、フィブリノーゲン、VWF、RANTS、血小板マイクロパーティクル、sCD40L、PDGFの再評価ならびに統計学的解析。
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