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2012 年度 実施状況報告書

くも膜下出血後の脳血管攣縮の危険因子である炎症性細胞集簇と血小板増加の病態的解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592103
研究機関岩手医科大学

研究代表者

久保 慶高  岩手医科大学, 医学部, 講師 (00316366)

キーワードくも膜下出血 / 脳血管攣縮 / アドレノメデュリン / 血小板 / 食欲
研究概要

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)患者における血小板増加ならびに食欲低下という特異的な病態の解明をテーマとした。
1.SAH患者において血小板増加に関わる因子と脳血管攣縮・予後の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂による20人を対象とした。発症0、8日目に血小板数、VWF、RANTS、sCD40L、PDGF-AA, AB, BBを測定し、脳血管攣縮の有無や予後との関連性を検討した。【結果】現在解析中である。
2.SAH患者において食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂による22人を対象とした。発症3、8日目に髄液アドレノメデュリン、血清グレリン、血清レプチン、1日経口摂取kcal/kg、食欲のVAS、血糖、インスリン、アルブミン、ヘモグロビン、中性脂肪を測定し、脳血管攣縮との関連性を検討した。【結果】全SAH患者において発症8日目では3日目に比べて、有意に髄液中アドレノメデュリン増加、血清グレリン低下、血清レプチン増加、1日経口摂取量低下、食欲のVAS低下、血糖増加、インスリン低下、アルブミン低下、ヘモグロビン低下を認めた。症候性脳血管攣縮患者では有意に髄液中アドレノメデュリン増加とアルブミン低下を認めた。【結語】1)髄液中アドレノメデュリン増加は食欲低下と症候性脳血管攣縮を惹起する。2)血清グレリン低下、血清レプチン増加、血糖増加、インスリン低下はSAHによるカテコールアミンサージが関与している、3)アルブミン低下は脳血管攣縮を増悪させ予後を不良にさせる、可能性が示唆された。Nerological Researsh: in press, Nutrition Research: submitted

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗状況:SAH患者における食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性の研究では、全SAH患者において発症8日目では3日目に比べて、有意に髄液中アドレノメデュリン増加、血清グレリン低下、血清レプチン増加、1日経口摂取量低下、食欲のVAS低下、血糖増加、インスリン低下、アルブミン低下、ヘモグロビン低下を認めた。症候性脳血管攣縮患者では有意に髄液中アドレノメデュリン増加とアルブミン低下を認めた。髄液中アドレノメデュリン増加は食欲低下と症候性脳血管攣縮を惹起する可能性が示唆された(Nerological Researsh: in press)。
H25年度は2つの英語論文に投稿予定である。
ただし、研究の質を高めるために症例数を増やすことが必要と思われる。H25年度は症例の蓄積を目指す。

今後の研究の推進方策

最終年度であり、論文作成の完遂が一番の目標であるが、質の高い研究を目指すために症例の蓄積を行う。
1.SAH患者における血小板増加因子と脳血管攣縮・予後との関連性の研究では、症例数を20人から30人へ増やし、発症0、8日目に血小板数、VWF、RANTS、sCD40L、PDGF-AA, AB, BBを測定する。
2.SAH患者における食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性の研究では、症例数を22人から30人へ増やし、発症3、8日目に髄液アドレノメデュリン、血清グレリン、血清レプチン、1日経口摂取kcal/kg、食欲のVAS、血糖、インスリン、アルブミン、ヘモグロビン、中性脂肪を測定する。

次年度の研究費の使用計画

症例数増加(約10人)に伴うVWF、RANTS、sCD40L、PDGF-AA, AB, BB、髄液アドレノメデュリン、血清グレリン、血清レプチン、インスリンの測定費、英語論文の校正費、学会口演発表に伴うUSBメモリーなどの備品、学会ポスター発表に伴うプリンターのインクトナーなど。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Adrenomedullin concentration in the cerebrospinal fluid is related to appetite loss and delayed ischemic neurological deficits after subarachnoid hemorrhage2013

    • 著者名/発表者名
      Kubo Y, Koji T, Kashimura H, Otawara Y, Ogawa A, Ogasawara K
    • 雑誌名

      Neurological Reserch

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 未破裂脳動脈瘤の経過観察をどう行うか2013

    • 著者名/発表者名
      久保慶高 小笠原邦昭
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 31(4) ページ: 412-413

  • [雑誌論文] Postoperative Changes in Cerebral Metabolites Associated with Cognitive Improvement and Impairment after Carotid Endarterectomy: A 3T Proton MR Spectroscopy Study.2012

    • 著者名/発表者名
      Saito H, Ogasawara K, Nishimoto H, Yoshioka Y, Murakami T, Fujiwara S, Sasaki M, Kobayashi M, Yoshida K, Kubo Y, Beppu T, Ogawa A.
    • 雑誌名

      AJNR Am J Neuroradiol.

      巻: 2012 ページ: Epub

    • 査読あり
  • [学会発表] 高齢未破裂嚢状脳動脈瘤患者におけるネッククリッピング前後の高次脳機能 ならびに不安評価2013

    • 著者名/発表者名
      久保慶高、幸治孝裕、樫村博史、太田原康成、佐藤由衣子、佐浦宏明、吉田浩二、小笠原邦昭
    • 学会等名
      第22回日本脳ドック学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130621-20130622
  • [学会発表] 前床突起近傍に存在する破裂内頸チマメ状動脈瘤の手術戦略2013

    • 著者名/発表者名
      久保慶高 幸治孝裕 吉田研二 樫村博史 柿野俊介 太田原康成  小川 彰 小笠原邦昭
    • 学会等名
      Stroke 2013 脳卒中の外科
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130321-20130323

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公開日: 2014-07-24  

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