研究課題
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)患者における血小板増加ならびに食欲低下という特異的な病態の解明をテーマとした。1.SAH患者において血小板増加に関わる因子と脳血管攣縮・予後の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂による20人を対象とした。発症0、8日目に血小板数、VWF、RANTS、sCD40L、PDGF-AA, AB, BBを測定し、脳血管攣縮の有無や予後との関連性を検討した。【結果】現在解析中である。2.SAH患者において食欲低下に関わる因子と脳血管攣縮の関連性を検討した。【方法】Hunt-Hess分類 3、FisherのCT分類 3、前方循環の脳動脈瘤破裂による22人を対象とした。発症3、8日目に髄液アドレノメデュリン、血清グレリン、血清レプチン、1日経口摂取kcal/kg、食欲のVAS、血糖、インスリン、アルブミン、ヘモグロビン、中性脂肪を測定し、脳血管攣縮との関連性を検討した。【結果】全SAH患者において発症8日目では3日目に比べて、有意に髄液中アドレノメデュリン増加、血清グレリン低下、血清レプチン増加、1日経口摂取量低下、食欲のVAS低下、血糖増加、インスリン低下、アルブミン低下、ヘモグロビン低下を認めた。症候性脳血管攣縮患者では有意に髄液中アドレノメデュリン増加とアルブミン低下を認めた。【結語】1)髄液中アドレノメデュリン増加は食欲低下と症候性脳血管攣縮を惹起する。2)血清グレリン低下、血清レプチン増加、血糖増加、インスリン低下はSAHによるカテコールアミンサージが関与している、3)アルブミン低下は脳血管攣縮を増悪させ予後を不良にさせる、可能性が示唆された。(Neurol Res. 2013 Sep;35(7):713-8, Nutr Neurosci. 2013 Nov 26)
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (4件)
Nutr Neurosci.
巻: in press ページ: in press
J Neurosurg.
Neurol Res.
巻: 36(3) ページ: 262-9
10.1179/1743132813Y.0000000300.
巻: 35(7) ページ: 713-8
10.1179/1743132813Y.0000000222.
Neurosurgery.
巻: 73(4) ページ: 592-8
10.1227/NEU.0000000000000013.
Eur J Nucl Med Mol Imaging.
巻: 40(10) ページ: 1573-81
10.1007/s00259-013-2463-2.
Neurol Med Chir (Tokyo).
巻: 53(6) ページ: 353-9