使用ラット群概要・くも膜下出血モデルラット36匹作成した(雄性SDラット・体重300-350g・死亡率13.9%・手術手技の不具合や死亡などで検体として使用できなかったラット9匹)。 ①くも膜下出血コントロール群 6匹(平均体重 334g・平均体温 37.3℃)②くも膜下出血アトルバスタチン治療群 18匹(平均体重 330g・平均体温 37.1℃)③sham群 3匹(平均体重 340g・平均体温 36.5℃) 上記ラットをくも膜下出血作成24時間後の神経学的スコア―を記録し、その後に安楽死させ、心臓還流後、脳を検体として採取した。脳の検体は#1水分量の測定(脳浮腫の程度)と#2ウエスタンブロット用(VEGFの発現量についての生化学的分析)の検体として用いた(ウエスタンブロット用検体は、脳底動脈と脳実質の2検体に分離した①-#1;3匹・①-#2;3匹・②-#1;7匹・②-#2;11匹。) 結果概要・くも膜下出血24時間後の神経学的スコア―(full score 18点):くも膜下出血コントロール群 平均8.6点、くも膜下出血後アトルバスタチン治療群 平均15点と治療群でラットの神経学的状態が良好であった。脳の水分含有量についてはくも膜下出血コントロール群 平均77.96%、くも膜下出血後アトルバスタチン治療群 平均77.60%と治療群で脳の水分含有量は低かった(脳浮腫の程度が軽減した)が有意差を認めるには至っていない。ウエスタンブロットによる分析は現在進行中も進行中であるが、アトルバスタチンによるVEGF抑制の傾向が得られつつある。くも膜下出血後急性期脳損傷において、アトルバスタチンによる脳浮腫軽減効果が期待された。
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