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2011 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病モデルにおける前頭葉基底核慢性刺激による学習記憶能力改善の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23592114
研究機関東京大学

研究代表者

辛 正廣  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70302726)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード脳深部刺激療法
研究概要

第一段階(平成23年)では高齢ラットの前頭葉基底核に慢性固定電極を挿入し、いつでも刺激できるような、安定したモデルの作成を行なうことを目標とした。購入する機器の中で最も高額である電気刺激装置と電極、刺激装置のプログラマーについては、研究計画時には、実際の臨床で、ヒトの脊髄刺激療法に使用されている低電圧式のものを使用する予定であった。これは、ヒトの脳深部刺激療法に使用されている電気刺激装置に低電圧式のものが存在しておらず、低電圧式を用いることが望ましいと考えられたからである。しかしながら、ヒトの脳深部刺激療法に使用される刺激装置にも、新たに低電流式のものが発売されることとなったため、これらを使用したほうが、より信頼性の高い動物実験のデータが得られるかどうかについて、学会や研究会などで情報収集を行い、再度検討した。最終的には、費用の面からこうした最新の電気刺激装置を購入して研究を行なうことが困難であるとの結論に達したが、将来的にヒトの脳深部刺激療法で使用される低電流式刺激装置を用いて研究を継続することを考えると、まずは比較的安価な脳深部刺激療法の低電圧式の刺激装置を用いた方が、データの以降がし易いとの結論に達し、ラットの脳内に挿入する電極の設計についても、これに合わせた形での修正を行った。また、ラットの認知機能評価を行う、Morris water mazeについても、他研究者が評価を行う際に同席し、こららの留意点などについて学び、評価法に習熟することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今回の実験に必要な、電気刺激装置に新しい製品が発売となることがあかり、これについての情報収集をしつつ、これらを使用したほうが、より信頼性の高い動物実験のデータが得られるかどうかについての情報収集に時間がかかってしまったこと。ラットの認知機能評価を行うMorris water mazeのある実験室に改修が必要となってしまい、これが一定期間使用できなくなってしまったこと。改修は平成24年の5月上旬に終了予定であり、その後は研究の再開が可能である。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、平成24年度には、第一段階(高齢ラットの前頭葉基底核に慢性固定電極を挿入し、刺激できる安定したモデルの作成)と第二段階(アミロイドβ42をラットの脳内に直接注入し、アルツハイマー病モデルを作成、アルツハイマー病に特有のコリン作動性神経細胞や神経線維の脱落、さらにmicrogliaの活性化について検討)を行う。こうして、安定した慢性刺激条件の設定と、疾患モデルの形成が完了したところで、平成25年度には、第三段階(アルツハイマー病ラットでのマイネルト基底核の低周波慢性刺激が、学習記憶能力の改善とコリン作動性神経細胞と神経線維の脱落をどの程度、阻止できたのかを評価)を行う。

次年度の研究費の使用計画

実験に必要な、実験用ラット、電気刺激装置とそのプログラマー、脳内電極、エクステンション・リード、固定具などと免疫染色などで必要な試薬の購入に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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