研究課題/領域番号 |
23592114
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辛 正廣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70302726)
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キーワード | 脳深部刺激療法 |
研究概要 |
第一段階(平成23年)では高齢ラットの前頭葉基底核に慢性固定電極を挿入し、いつでも刺激できるような、安定したモデルの作成を行なうことを目標とした。 ラットの脳に刺入するための電極については、第二段階で、基底核を破壊するための薬液注入実験を行う予定であるが、これも視野に入れて、作成した。 ヒトの脳深部刺激療法に使用される刺激装置にも、前述の刺激電極との間にコネクターを作成して、定電圧式の刺激装置を用いて条件設定を行った。 また、ラットの認知機能評価を行う、Morris water mazeについても、実際に、ラットを使った確認実験を行ったり、行動解析を行うソフトウェアーの使用について、確認をし、条件設定の調整を行った。 最終的に条件設定の調整が終了し、25年度の本実験を行う準備が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1)実験施設の改修とその後の実験開始までに遅れが生じたこと 2)実験開始までの手続きに手間取り、開始がおくれたこと 3)刺激電極の作成とその後の条件設定、さらには、ラットの認知機能評価を行うMorris water mazeでの実験条件の調節・準備に予想以上の時間を要したことなど
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、平成25年7月から8月には、第一段階(高齢ラットの前頭葉基底核に慢性固定電極を挿入し、刺激できる安定したモデルの作成)と第二段階(アミロイドβ42をラットの脳内に直接注入し、アルツハイマー病モデルを作成、アルツハイマー病に特有のコリン作動性神経細胞や神経線維の脱落、さらにmicrogliaの活性化について検討)を行う。こうして、安定した慢性刺激条件の設定と、疾患モデルの形成が完了したところで、9月以降には、第三段階(アルツハイマー病ラットでのマイネルト基底核の低周波慢性刺激が、学習記憶能力の改善とコリン作動性神経細胞と神経線維の脱落をどの程度、阻止できたのかを評価)を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に必要な、実験用ラット、脳内電極、エクステンション・リード、固定具などと免疫染色などで必要な試薬の購入に使用する予定である。
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