研究課題/領域番号 |
23592114
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辛 正廣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70302726)
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キーワード | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 痴呆 / 臨床 |
研究概要 |
前年度までに、研究でラットの大脳基底核に刺入する電極の改良と、行動実験の方法・解析方法について、条件設定が完了した。本年度は、これらを踏まえ、実際の本実験を開始した。 ラットの脳内にアミロイドβタンパクを、マイクロシリンジポンプを使って注入した。当初、片側に注入したが、行動学的に変化が乏しく、両側注入を行い、組織学的検討と行動学検討を行った。 また、電極の刺入と刺激については、長期間の留置により、電極の不安定性が問題となり、刺入部周辺の脳組織の挫滅が起こるものがいくつか存在し、これについて固定方法の改良と評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
認知機能改善を目的に、ラット大脳基底核の一つであるマイネルト核を刺激し、組織学的な検討を行ったが、その結果を評価するにあたり、刺激電極を、周辺の神経核への影響を抑え、限局した刺激を行うことができるものに改良する必要が発生した。こうした新たな刺激電極の開発とラット基底核内での刺激部位の座標設定、さらには刺激条件の設定に大幅な時間を要したため、予定に遅延が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに、刺激電極の改良やラット基底核内での至適刺激部位の座標設定や刺激条件など、研究を遂行するために必要な、基本的な条件設定が、すべて終了した。現在、アミロイドβ42をラットの脳内に直接注入し、アルツハイマー病モデルを作成と病理学的な検討を開始している。これに引き続き、アルツハイマー病ラットでのマイネルト基底核の低周波慢性刺激が、学習記憶能力の改善とコリン作動性神経細胞と神経線維の脱落の抑制効果に関する研究も継続して行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
認知機能改善を目的に、ラット大脳基底核の一つであるマイネルト核を刺激し、組織学的な検討を行った。その結果を評価するにあたり、刺激電極を、周辺の神経核への影響を抑え、限局した刺激を行うことができるものに改良する必要が発生した。こうした新たな刺激電極の開発とラット基底核内での刺激部位の座標設定、さらには刺激条件の設定に大幅な時間を要したため、予定期間内に研究を終えることができず、未使用額が生じた。 現在までに、刺激電極の改良やラット基底核内での至適刺激部位の座標設定や刺激条件など、研究を遂行するために必要な、基本的な条件設定が、すべて終了した。このため、次年度は、引き続き、実験を継続して行うこととし、現在の未使用額については、そのために使用したい。
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