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2011 年度 実施状況報告書

ノックアウト・エクスプレッション法を用いた新しいグリオーマモデルマウスの作出

研究課題

研究課題/領域番号 23592115
研究機関新潟大学

研究代表者

薄井 宏  新潟大学, 脳研究所, 助教 (20192510)

研究分担者 崎村 建司  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
鷲山 和雄  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00183715)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード脳腫瘍 / モデルマウス / 癌抑制遺伝子 / 細胞選択的機能破壊
研究概要

本年度は、TP53欠失:Nf1細胞選択的欠損マウスを作製するために、我々がこれまでに作製したTP53-null/Nf1-floxマウスを、脳内細胞で選択的にCreを発現するNestin-Creマウスと交配した。また、新たにグリア細胞で選択的にCreを発現するGFAP-Creマウス、及びNG2-Creマウスを作製し、TP53-null/Nf1-floxマウスとの交配を行なった。従って、Nf1遺伝子の失活する細胞が異なる3種類のコンディショナルノックアウトマウスを作製することができた。これらのマウスは、脳腫瘍モデルマウスとして利用できる可能性が高いと考えられ、現在、これらのマウスの観察を行なって、実際に脳腫瘍が形成されるかどうかを解析している。 また、TP53欠失:PTEN細胞選択的欠損マウスと、TP53欠失:p16INK4a欠損マウスを作製することを目的として、癌抑制遺伝子TP53のエクソン5-9をアストログリア選択的なGFAP-Creの発現ユニットで置き換えたTP53-KO/GFAP-Creベクター、及びPTEN-floxベクターとp16INK4a-floxベクターを作製した。これらのベクターをマウスES細胞(RENKA株)に導入して、Southern blot法でスクリーニングすることにより、相同組換えES細胞を得ることができた。現在、これらの相同組換えES細胞をマウス初期胚にインジェクションして、キメラマウスの作製を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TP53欠失:Nf1細胞選択的欠損マウスの作製に関しては、TP53-null/Nf1-floxマウスを、細胞選択的にCreを発現するNestin-Creマウス、GFAP-Creマウス、及びNG2-Creマウスと交配することにより、Nf1遺伝子の失活する細胞が異なる3種類のコンディショナルノックアウトマウスを作製することができた。 また、TP53欠失:PTEN細胞選択的欠損マウスと、TP53欠失:p16INK4a欠損マウスの作製に関しては、必要なベクターを作製し、ES細胞に導入してスクリーニングすることにより、相同組換えES細胞を得ることができた。従って、TP53-KO/GFAP-Creマウス、PTEN-floxマウス、p16INK4a-floxマウスを作出するための準備が整っており、機能破壊される癌抑制遺伝子の組み合わせが異なるコンディショナルノックアウトマウスに向けて研究は進捗している。

今後の研究の推進方策

TP53欠失:Nf1細胞選択的欠損マウスの作製に関しては、TP53-null/Nf1-floxマウスと、Nestin-Creマウス、GFAP-Creマウス、NG2-Creマウスとの交配を継続してマウスの観察を行なう。そして、脳腫瘍が形成される頻度と組織像を解析して、脳腫瘍モデルマウスとしての有用性を検討する。その際に、Cre発現細胞(Nf1遺伝子の機能破壊が起こる細胞)と発生する脳腫瘍の組織像との相関について注意深く解析する。 また、TP53欠失:PTEN細胞選択的欠損マウスと、TP53欠失:p16INK4a欠損マウスの作製に関しては、現在、相同組換えES細胞をマウス初期胚に注入して、キメラマウスの作製を行なっている。キメラマウスが得られたならば、野生型マウスとの交配によりF1マウス(TP53-KO/GFAP-Creマウス、PTEN-floxマウス、p16INK4a-floxマウス)を作製して、それらのF1マウスを交配する。そして、細胞選択的な癌抑制遺伝子(PTEN、p16INK4a)の機能破壊を行なう予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度に必要な研究費は、TP53欠失:Nf1細胞選択的欠損マウスの作製に関しては、マウスの飼育費と、発生した脳腫瘍を解析するための病理組織解析経費である。 また、TP53欠失:PTEN細胞選択的欠損マウスと、TP53欠失:p16INK4a欠損マウスの作製に関しては、相同組換えES細胞をマウス初期胚にインジェクションするための経費と、マウスの飼育費が必要となる。 従って、必要なのは主に物品費であるが、学会発表のための旅費にも使用したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Distinct Modes of AMPA Receptor Suppression at Developing Synapses by GluN2A and GluN2B: Single-Cell NMDA Receptor Subunit Deletion In Vivo2011

    • 著者名/発表者名
      John A. Gray, Yun Shi, Hiroshi Usui, Matthew J. During, Kenji Sakimura, and Roger A. Nicoll
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 71 ページ: 1085-1101

    • 査読あり
  • [学会発表] コンディショナルノックアウト法による髄芽細胞腫モデルマウスの作製2011

    • 著者名/発表者名
      薄井宏、鷲山和雄、市川富夫、小林一雄、阿部学、夏目里恵、崎村建司
    • 学会等名
      神経病理学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011年6月3日
  • [学会発表] Trp53及び選択的Nf1遺伝子欠損マウスに発生した多彩な脳腫瘍の解析2011

    • 著者名/発表者名
      薄井宏、鷲山和雄、市川富夫、小林一雄、阿部学、夏目里恵、崎村建司
    • 学会等名
      脳腫瘍病理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011年5月20日

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公開日: 2013-07-10  

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